
コリアインサイト K-Beauty(韓国コスメ)、再び世界へ
2025.07.24 (木)




グローバル消費の回復傾向とデジタルプラットフォームの拡大に伴って、韓国の化粧品産業は再び飛躍の時を迎えています。そのようななか、アモーレパシフィック(韓国:090430)、コスマックス、APR、ダルバ・グローバルなどの韓国化粧品企業が海外市場でどんな戦略を広げているのかについて解説します。
北米・東南アジア市場における躍進
北米および東南アジアは、足元において韓国化粧品企業の売上成長を牽引している地域です。アモーレパシフィックは、北米における2025年の売上高が7,600億ウォンを超える見通しであり、COSRXやラネージュといった高価格帯ブランドが大きく寄与しています。コスメックスの2025年第2四半期の売上高はインドネシアで前年同期対比25%以上、タイで100%内外の成長を遂げていると予想されます。韓国コルマー(韓国:161890)は、米国第2工場の稼働が開始され、現地でのODM受注拡大が本格化しています。
※ODMについては「コリアインサイト 韓国化粧品、更なる躍進」参照
デジタルチャネルの強化
オンライン市場を通じたブランド拡張にも各社、積極的に取り組んでいます。米Amazonにおいて、AbleC&C社はMISSHAブランドがBBクリーム部門及びファンデーション部門で上位を維持しています。APR社も自社ブランドによるD2C(直販)と海外BtoB取引の両面展開により、2025年には海外売上が前年比で190%以上増加する見通しです。
欧州・日本市場の台頭
ダルバ・グローバル社は「ミストセラム」の好評により、欧州および日本で大きな成果をあげています。特に欧州市場では、2025年の売上が前年比で4倍以上になると見込まれています。オンライン直販から海外輸出モデルへの転換を図られ、収益構造の改善にもつながっています。
中国市場では慎重ながらも回復基調
アモーレパシフィック社は中国国内の消費回復とともに販売実績も徐々に改善されている傾向にあります。韓国コルマー社も基礎化粧品を中心とした供給により、市場の需要回復に向けた対応を進めています。
韓国化粧品企業の将来
いまや「K-Beauty(K-ビューティー)」という流行語を超え、製品力・ブランド力・現地最適化戦略を兼ね備えた企業こそが、真のグローバル競争力を保有していると言えます。
今後更なるレベルアップのため、韓国化粧品産業はその真価を問われる年になると思います。
※コスマックス、APR、ダルバ・グローバル、AbleC&Cはアイザワ証券では取扱いはありません
ご留意事項
免責事項
本資料は証券投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終決定は、お客様ご自身による判断でお決めください。本資料は企業取材等に基づき作成していますが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。結論は作成時点での執筆者による予測・判断の集約であり、その後の状況変化に応じて予告なく変更することがあります。このレポートの権利は弊社に帰属しており、いかなる目的であれ、無断で複製または転送等を行わないようにお願いいたします。