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2026年度から開始の「子ども・子育て支援金制度」とは?私たちの給与への影響や制度目的を解説

2026.05.15 (金)

アイザワ証券

アイザワ投資大学 編集チーム

2026年度から開始の「子ども・子育て支援金制度」とは?私たちの給与への影響や制度目的を解説

2026年度(令和8年度)から始まる「子ども・子育て支援金制度」は、子育て支援を社会全体で支えるための新しい財源の仕組みです。医療保険の保険料とあわせて負担する形になるため、給与明細への影響が気になる人も多いでしょう。

この記事では、制度の概要や給与への影響(保険料の考え方)を整理し、支援金によって拡充される主な施策などを分かりやすく解説します。

子ども・子育て支援金制度とは

「子ども・子育て支援金制度」は、子どもや子育て世帯を社会全体で支えるために、医療保険とあわせて広く負担を分かち合う仕組みです。子育て支援を拡充するための安定的な財源をつくり、必要な給付やサービスにつなげ、子育てに伴う家計負担や不安を減らすことを狙いとしています。

ポイントは、特定の世帯だけが負担するのではなく、医療保険に加入する幅広い人が少額ずつ負担し、社会全体で支える設計になっていることです。支援金は医療保険の保険料と一体になって徴収されます。会社員なら健康保険料と同じように給与から天引きされ、国民健康保険や後期高齢者医療でも令和8年度から保険料項目が追加される形になります。

いつから開始される?

制度開始は2026年度(令和8年度)からですが、いつの給与から反映されるかは、加入している医療保険や納付形態によってタイミングがずれることがあります。

たとえば協会けんぽでは、一般被保険者は令和84月分(5月納付分)から支援金率が適用されます。一方、任意継続被保険者や日雇特例被保険者は令和84月分(4月納付分)から適用とされており、同じ4月分でも「納付月」が異なることに注意しましょう。

参照:「協会けんぽの子ども・子育て支援金率について|保険料率|協会けんぽの事業|協会けんぽについて|協会けんぽ」※外部サイトへ移動します

なぜ独身税とも呼ばれている?

「独身税」と呼ばれることがあるのは、子どもがいない人や独身の人でも、医療保険の加入者として負担が発生しうるためです。子ども・子育て支援の拡充という目的のため支援の受け手が子育て世帯と見えやすい一方で、負担は広く分かち合う設計となっているため、言葉として強く切り取られがちです。

受益を「今すぐ自分が受け取るか」だけで測ると不公平に見えることがありますが、少子化対策は将来の労働力や地域の支え手を確保し、社会保障制度の持続性を高める効果が期待されます。子育て世帯だけでなく社会全体の基盤を守る投資でもある、と理解すると冷静に捉えやすくなります。

給与への影響は?子育て支援金分保険料の金額

会社員や公務員など被用者保険に加入している人は、健康保険料と同じ枠組みで扱われ、給与から控除されます。「健康保険料が少し増える」または「支援金に関する項目が追加される」といった見え方で確認できます。また会社員の場合は子ども・子育て支援金は健康保険料と同様に労使で分担する仕組みとなっています。

では実際どのくらい負担額が増えるのでしょうか。

負担額は、原則として標準報酬月額などの基礎に「支援金率」を掛けて計算されます。例えば協会けんぽでは一般被保険者の支援金率が「0.23%」と示されており、同じ率でも報酬が高いほど負担額は増えます。

こども家庭庁による医療保険制度ごとの年収別試算は表の通りです(※令和826日掲載時点)。

参照:「医療保険制度ごとの年収別試算|こども家庭庁」※外部サイトのPDFが開きます

確認のコツは、給与明細の控除項目の名称と、適用月の考え方を押さえることです。社会保険料は「当月控除」か「翌月控除」かで反映タイミングが変わるため、増減を見比べるときは支給月ではなく、何月分の保険料かに注目してください。また国民健康保険の場合は給与天引きではなく自治体からの通知で確認することになります。

子育て支援金で拡充される主な施策とは

子ども・子育て支援金は、こども未来戦略の「加速化プラン」で示された支援の新設・拡充を支える財源の一つです。支援金の使い道は、子育て世帯への現金給付だけに限りません。妊娠期からの支援、保育の受け皿、育休や時短で減る収入への補填、年金保険料負担の軽減など、ライフステージに沿って「途切れやすいところ」を埋める形で設計されているのが特徴です。ここでは202312月に策定されたこども未来戦略「加速化プラン」をもとに代表的な施策を紹介します。

児童手当の拡充

児童手当は家計への影響が大きく、拡充の議論では支給対象の範囲、支給期間、所得制限の考え方、多子加算の扱いなどが特に注目されます。2023年には所得制限の撤廃や支給対象の子どもが高校生年代に延長、第3子以降の増額が策定されました。

いつから、いくら、誰に支給されるのかを確認するだけでなく、申請が必要か、自動的に切り替わるかも確認ポイントになります。転居や出生などで自治体の手続きが発生する場面も多いため、利用する場合は必要書類を早めにそろえておくとスムーズです。

こども誰でも通園制度

こども誰でも通園制度は、保護者の就労要件を問わず、時間単位等で柔軟に保育所等の利用機会を得られるようにする通園給付です。2025年度より制度化されました。育児を応援、良質な成育環境を整備するとともに、全ての子育て家庭に対して、多様な働き方やライフスタイルにかかわらない形での支援を強化することが目的です。

地域によって受け皿の整備状況が違うため、自分の地域で使えるかどうか、「つうえんポータル」などを活用して事前に調べる必要があります。希望時期が決まっている場合は、募集開始時期、必要書類なども含めて確認し、育休復帰や通院などの予定と組み合わせて計画すると活用しやすくなります。

妊婦のための支援給付

妊婦のための支援給付は、妊娠期から切れ目なく支えるために、必要な費用や環境づくりを後押しする趣旨で創設されています。妊娠期は、妊婦健診や出産準備などでまとまった支出が発生しやすく、体調面の不安も重なることもありますので、給付金だけでなく妊娠から出産・子育てまで、不安や悩みに応え、ニーズに応じた伴走型の相談支援も実施しています。

支給時期や要件は自治体ごとに運用差が出る可能性があるため、「いつ振り込まれるのか」「何に使えるのか」「他の給付と併用できるのか」を早めに押さえると資金面の不安を減らせます。

出生後休業支援給付・育児時短就業給付

育児と就労(資金面)の共立をサポートするため子どもの年齢や養育の状況に応じた育休関連の給付は種類が複数あります。名称が似ており混同しやすいため、自分が取る休業がどの制度に該当するか、他の制度との併用の関係で手続きがどう変わるかを整理しておきましょう

対象になる働き方や要件は雇用保険給付として整理され、申請は原則勤務先を通して行います。

出生後休業支援給付は、出産後に一定の休業を取りやすくし、子育て仕事の両立に不安を抱える共働き夫婦を支えることを目的とする給付金制度です。出生直後は、母体の回復や生活リズムの立て直し、行政手続きなども重なります。さらに、育児休暇中は給与が支給されないのが一般的で、家庭の精神的、経済的負担は膨らみがちです。夫婦での取得を促す狙いもあるため、家庭内で取得計画を先に合意し、職場には早めに相談して調整しましょう。

また復職した場合でも育児のために時短就業を選ぶと、働く時間が減る分賃金も下がります。育児時短就業給付は、その収入減を補い、時短という選択を取りやすくするための仕組みとして位置づけられています。本人が制度を知らないと、そもそも手続きの案内が遅れることもあるため、時短を検討した段階で人事・総務に「雇用保険の給付の対象になるか」を確認しておくのが安全です。

育児期間中の国民年金保険料免除

育児は出費が増えやすい一方で、働き方の変化により収入が不安定になりやすい時期でもあります。国民年金保険料の免除(または特例)は、そうした時期の負担を軽くし、未納による将来不利を避ける狙いがあります。対象者は主に自営業・フリーランス等の国民年金の被保険者として保険料を納めている人で、育児を理由に一定の要件を満たす場合に利用が検討されます。また育児免除期間として「保険料の納付が免除された期間」は、保険料を納付したものとして老齢基礎年金の受給額に反映されます。

子育て施策の詳細は以下からご確認ください。
加速化プランによる子育て支援の拡充と子ども・子育て支援金|こども家庭庁」※外部サイトへ移動します

制度についてもっと知りたいときは

制度の詳細や自分の負担・対象可否は加入保険や自治体によって確認先が異なります。制度全体の案内としては、こども家庭庁の情報が一次情報になりますので、不明点がある場合は、こども家庭庁の「子ども・子育て支援金制度コールセンター」(※外部サイトへ移動します)を利用すると、制度の基本的な確認ができます。

施策の申請窓口が自治体中心のものは、住んでいる市区町村の子育て担当窓口で確認しましょう。制度名だけ伝えるより、「妊娠中でいつ頃出産予定」「時短で働く予定」など状況を添えて相談するとベストです。

まとめ

子ども・子育て支援金制度は、2026年度(令和8年度)から始まる、子育て支援を社会全体で支えるための新しい財源の仕組みです。税ではなく、医療保険料とあわせて徴収される点が大きな特徴です。

会社員は給与天引きに影響し、支援金率と標準報酬月額などをもとに負担が決まります。適用月と納付月のズレもあるため、給与明細を比較するときは「何月分の控除か」を確認してください。

支援金で支えられる施策は、児童手当、こども誰でも通園制度、妊婦支援、雇用保険の給付拡充、育児期の国民年金保険料の免除(特例)など多岐にわたります。いまのうちに、自分の加入保険、家族の働き方の予定、自治体で使える支援を整理し、迷ったら勤務先・自治体窓口・コールセンターで早めに確認することが、負担増への不安と取りこぼしの両方を減らすとよいでしょう。

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