新卒の初任給平均はいくら?支給日や学歴・産業・企業規模別の平均額を解説
2026.03.30 (月)
大学や高校など学校を卒業し、4月は多くの人が新社会人としてスタートする月です。同じ労働であっても学生時代のアルバイトから環境も大きく変化するという人も少なくないと思います。社会人になることで給与、特に初任給を気にする人も多いでしょう。
本記事では、初任給に関する知識や平均初任給を解説するとともに手取りの簡易的な計算方法なども解説していきます。
初任給とは?
「初任給」は、字の通り入社後にはじめて会社から支払われる給与のことです。ただし会社によっては、初任給の表示が基本給だけの場合もあれば、手当を含めた支給額を指す場合もあります。「初任給」になにか含まれているのかは発行される給与明細で確認できます。
初任給はいつもらえる?支給日のパターン
初任給がいつ振り込まれるかは、会社の締め日と支払日の組み合わせで決まります。たとえば月締め翌月払いの会社では、4月分の給与が5月に支給されることがあり、最初の給料日が想像より遅く感じることがあります。一方で4月中に受け取れるパターンもあります。たとえば月締め当月払い、または当月の途中締めで当月払いなど、会社の給与規定次第です。公務員などは4月中支給が一般的なケースもありますが、民間は企業ごとに差があります。
確認方法として確実なのは、労働条件通知書や雇用契約書、就業規則の給与規定を見ることです。初任給までの生活費が不安な場合は、入社前に初回支給日と、交通費の精算タイミング、引越し費用補助の有無までセットで確認しておくと、資金ショートを防げます。
給与・基本給・手取りの違い
会社員として得る賃金には「給与」「基本給」「手取り」など場面によって示す言葉が複数あり、それぞれ指す範囲が異なります。
「給与」は、労働の対価として会社が支払う「すべてのお金」を指します。基本給に加え、残業代や各種手当(通勤手当、住宅手当、資格手当など)、賞与(ボーナス)なども含まれます。「額面」または「額面給与」と呼ばれることもあります。
給与に含まれる「基本給」は給与の土台になるもので、職務や等級などによって決まる固定賃金です。基本給は賞与や残業単価などの基準にも用いられるため、基本給が低く手当で上乗せする給与設計だと、賞与や残業代金、将来の昇給の伸び方に影響が出やすいのが実務上の注意点です。
「手取り」は、給与から税金・社会保険料などの控除を引いた「実際に振り込まれる(受け取れる)金額」で、給与明細では差引支給額などの名称で記載されます。一般的な控除対象としては健康保険・厚生年金・雇用保険、所得税、住民税などが代表的です。加えて、社宅・寮費、社食代、組合費など会社独自の控除がある場合もあります。労働の対価として皆さんが自由に使えるお金が「手取り」となります。
一方で個人事業主の場合、「給与」という概念がないため基本給や資格手当などはありません。
新卒の初任給平均はいくら?
では実際の初任給の平均はどのくらいなのでしょうか。初任給は学歴や職種、企業規模などによって異なり平均にも影響を与えます。学歴別、産業別、企業規模別にそれぞれ見てみましょう。また初任給平均額は厚生労働省が公表している「令和元年賃金構造基本統計調査(初任給)」をもとに記載しています。併せて同省が公表している「令和7年賃金構造基本統計調査」による新卒者の6月分の給与平均を紹介しておりますので、直近の給与状況として参考にしてみてください。
《学歴別》平均初任給
学歴別で見た場合、一般に院卒、大卒、高卒の順で初任給が高くなる傾向にあり、高校卒と大学院卒では平均に約7万の差があります。その背景には担当する職務の難易度、専門知識の前提、配属されやすい職種の違いがあり、単純に在学年数の差だけで決まっているわけではありません。初任給を一律で決めている企業もあれば、同じ企業内でも職種やコースによって初任給が異なる場合もありますので、技術職などは金額が高くなる可能性があります。
《学歴別》平均月給(参考)
また同省の「令和7年賃金構造基本統計調」において、新卒者による初年度6月分の給与平均は、初任給でないものの令和元年と比較して、水準が高くなっています。
学歴差を判断するときは、初任給の差額だけでなく、昇給カーブや職務の幅も合わせて見ましょう。初任給が高くても昇給が緩やかな職種もあれば、初任給は平均的でも早期に専門性がつき、転職や昇格で伸びる職種もあります。キャリアの伸び方まで含めて比較することも大切です。
《産業別》平均初任給
産業別の場合、業界特性(利益率・人材需給・専門性など)の影響によって初任給の水準は大きく変動し、建設業やIT関係、金融、研究職などは相対的に高めになりやすい傾向があります。一方で宿泊・飲食などは利益率や季節変動の影響を受けやすく、平均が低めに出ることがあります。
差の理由は、企業のもうけやすさだけではありません。専門性が高く代替が効きにくい職種が多い業界は、採用競争の結果として賃金水準が上がりやすいです。逆に、育成前提で配置する業界では、初任給よりも教育投資や福利厚生で魅力を出すケースもあります。
《産業別》平均月給(参考)
新卒者による初年度6月分(令和7年)の給与平均は学歴別同様に水準が高くなっています。
《企業規模別》平均初任給
企業規模が大きいほど初任給が高い傾向はありますが、実際の平均見てみると規模だけでは大差があまり見られません。見落としやすいのは、初任給の差よりも制度差です。大企業は家賃補助や社宅、教育制度、異動の幅が整っていることが多い一方、中小企業は役割が広く、早くから裁量を持てるなど成長機会が魅力になることがあります。初任給だけでなく、可処分所得に直結する福利厚生も比較材料です。
また、同じ規模でも賃金の出し方が異なります。基本給を厚くする企業もあれば、手当で調整する企業もあります。規模別平均は参考にしつつ、個別企業では基本給と手当の構成、賞与の算定基礎がどこかを確認するのが実務的です。
《企業規模別》平均月給(参考)
企業規模別の新卒者による初年度6月分(令和7年)の給与平均は他同様に水準が高く推移しています。
そのほかにも地域によっても初任給は差が出ます。事業所ごとに平均初任給を公表しているところもありますので、就職地域を限定している場合は参考にするのもよいでしょう。
新卒の手取り平均の目安と計算方法
新卒の手取りは、額面のだいたい75〜85%が目安になることが多いです。社会保険料の負担額、扶養の有無、通勤手当や社宅控除などの条件が人によって異なるため差が生じます。大まかな計算としては、まず社会保険料を引き、次に所得税など税金分を見積ります。たとえば額面20万円なら、社会保険料が2〜3万円程度で所得税が数千円程度になり、手取りはおよそ16〜17万円台というのが一つの目安になります。住民税は初年度は引かれないことが多いものの、翌年から始まる前提で余力を見ておくと安全です。
「初任給が高い=年収が高い」とは限らない
初任給が高いことは魅力ですが、それだけで年収が高くなるとは言い切れません。年収は、月給だけでなく賞与の有無と水準、残業代の扱い、昇給の頻度、評価制度などによって決まるためです。初任給が高い企業でも賞与が小さい、昇給が横ばいだと年収が伸びにくいことがあります。一方、初任給は平均的でも若手の昇給が厚い、成果が給与に反映されやすい制度だと数年で差が縮まることがあります。
もう一つの要因はキャリアの市場価値です。教育投資が厚く数年で専門性が身につく環境では、社内昇進だけでなく転職でも年収が上がりやすくなります。初任給は入口の条件として確認しつつ、数年後の成長イメージまで描けるかで判断することも大切です。
まとめ
社会人になるとまず額面と手取りの違い、初任給の定義の違いを押さえることが重要です。平均には学歴、業界、企業規模、地域の影響が出ます。ただし、額面の高低だけで生活の余裕は決まりません。家賃などの固定費、福利厚生、住民税が始まるタイミングまで含めて考えると現実的です。
企業を選ぶときは、基本給の比重、固定残業代の有無と条件、手当の支給条件、賞与・昇給・評価制度、締日と支払日を十分に確認し、初任給は入口の指標として活用しつつ、中長期の伸びと生活設計に合うかまで見て判断するとよいでしょう。
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