金利上昇局面で注目の連続増配・累進配当銘柄
2026.10.27 (火)
10月18日に開催したアイザワ投資大学5周年記念セミナーにお越しいただいた皆様ありがとうございました。
毎月1度、政策、トレンドに基づいた注目セクターや銘柄を解説したコラムを書かせて頂いています。改めてよろしくお願いいたします。
現在、中東情勢の緊迫化による原油高、米欧や日本などでの財政悪化と国債発行の急増、及びAI関連などの巨額投資に伴う社債発行が重なり、日米欧の主要国で長期金利が歴史的な高水準となっています。
直近では、米AIインフラ企業コアウィーブ(CRWV)の社債利回りが急上昇し、10月15日の日経平均株価は終値ベースでも歴代3位の下げ幅(3318円安)を記録しました。
今後も、日米の金利上昇圧力やAI関連企業をはじめとする巨額の社債増発、信用不安の顕在化を背景に社債利回りの上昇懸念は高まります。
そうした時に、連続配当や累進配当実施(企業が株主への配当について減配をせず、配当を維持するか増配する企業)に妙味があると感じています。そこで、今回は連続増配、累進配当を公表している企業を紹介します。
花王(4452)
花王は、1887年創業の日本の大手消費財化学メーカーです。洗剤やトイレタリー分野で国内トップクラスのシェアを持ち、衣料用洗剤の「アタック」、スキンケアの「ビオレ」、ヘアケアの「メリット」、化粧品の「KATE(ケイト)」など、多くの身近なブランドを展開しています。
同社は、1991年3月期から2026年12月期(1株156円予想)まで、日本企業で最長となる連続増配を継続している企業です。2026年8月には、株主優待制度を新設し、100株以上を保有する株主を対象に、保有株数に応じて自社製品セットの贈呈や抽選、イベント招待を実施します。また、2026年7月1日付で1株につき2株の株式分割を実施しています。
武田薬品工業(4502)
武田薬品工業は、日本最大・世界トップクラスの製薬企業です。医療用医薬品の研究・開発・製造・販売をグローバルに展開しています。1988年以降、40年以上にわたって配当を減らさない非減配を継続しています。
同社は、一時的な減益局面であっても、単年の利益にとらわれず配当性向を高めてでも配当を死守する姿勢を示しています。なお、「株主還元」においては、毎年の1株当たり年間配当金を増額または維持する累進配当の方針を採用し、自己株式の取得については適切な場合に実施すると公表しています。
三菱HCキャピタル(8593)
三菱HCキャピタルは、三菱UFJリースと、日立キャピタルが2021年4月に経営統合して誕生した、国内トップクラスの規模を誇る大手総合リース会社です。
同社は、日本経済新聞社が算出する「日経連続増配株指数」と「日経累進高配当株指数」の両方に採用されています。現在、28期連続増配を継続・予想されています。株主還元を配当によって継続的かつ安定的に行うことを基本方針とし、利益成長を通じた配当総額の増加を目指し、新中期経営計画(2028中計)期間中は配当性向45%以上を掲げています。
三井住友フィナンシャルグループ(8316)
三井住友FGは、日本の3大メガバンクの一角を占める総合金融持株会社です。
同社は、累進的配当方針(配当性向約40%)を基本としつつ、機動的な自己株式取得、および2026年9月末基準から新設された「Olive」を活用した株主優待制度(Vポイント進呈や定期預金金利上乗せ等)を組み合わせた形で行われています。
同社だけではなく、三菱UFJFG、みずほFGのメガバンクも累進的配当方針を掲げています。また、配当による継続的な還元に加え、機動的な自己株式取得も組み合わせて株主還元を強化する方針を示しています。
大手総合商社
日本の大手総合商社「三菱商事(8058)、三井物産(8031)、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、丸紅(8002)」などは、減配を行わずに配当維持または増配を目指す累進配当を基本的に導入・継続することを公表しています。
日本の総合商社株に対して、ウォーレン・バフェット氏が率いる米バークシャー・ハザウェイが2019年に取得を開始しています。取得理由として、安定したキャッシュフローを生み出し、配当金による継続的なリターンが期待できことをあげています。2025年のバークシャーの年次株主総会で、「今後50年間、売却することなど考えないだろう」と発言されています。
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