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亜州潮流 24年のインバウンド消費は更に拡大へ

2024.02.26 (月)

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亜州潮流 24年のインバウンド消費は更に拡大へ

24年のインバウンド消費は更に拡大へ

足元の訪日外客数がコロナ前を上回っている。日本政府観光局JNTOによると、2023年10月に単月ベースでコロナ前(2019年)を上回ったのち、2023年12月にはコロナ前比8.2%伸長させた。訪日外客数比率の約3割を占めていた中国人の回復が鈍い中、米国、カナダ、メキシコ、東南アジア、中東諸国など幅広い国から訪日客が増加。通年で比較するとまだコロナ前の8割弱の回復ではあるが、勢いそのまま今年は通年でコロナ前を上回る訪日外客数が期待される。さらに注目すべきは、円安効果や久しぶりの訪日旅行で訪日外国人の消費が急増している点だ。観光庁によると、訪日外国人の1人当たりの旅行費用は21.2万円とコロナ前2019年)比+33.8増加。客数がコロナ前の8割に留まる中で、2023年のインバウンド消費額速報)は5.3兆円とコロナ前(4.8兆円)を上回る過去最高を更新した。

今年本格的な回復が見込まれるインバウンドであるが、足元の1人当たりの旅行費用を参考に、コロナ前の客数(約3188万人)に戻ったとした場合、単純計算で6.7兆円と過去最高だった昨年を大幅に上回る可能性がある。また来年には、大阪・関西万博の開催も予定されており、インバウンド目標350万人を掲げるなど、更なる訪日外客数の増加が見込まれる。そして、政府も2030年目標としてインバウンド消費額15兆円と大きな目標を掲げている。政府目標においては、コロナ前の3倍以上ということもあり、少しハードルの高い目標のようにも思えるが、訪日外国人比率の多くを占めていた中国人観光客がコロナ前の3割弱しか回復していないこと、海外旅行を検討し始めると言われている1人当たりGDP5000ドルに近づくアジア圏(インドネシア、ベトナム、フィリピン等)の訪日客が増加することを踏まえると近い水準まで目指していけるのではないかと考える。これらの恩恵を受ける業種として、空運・陸運、ホテルや百貨店、小売、外食などが思い浮かぶ。個人的に注目している百貨店や小売はコロナ前、訪日外国人の買物代の5割を占めていた中国人観光客の回復がカギを握る。また中国だけでなく、世界的な景気後退に陥れば、訪日外客数が伸び悩むリスクもあるため、インバウンドの持続性には注視する必要もある。

※「亜州潮流」はアジア新興国のトレンドを解説したコラムです。投資の推奨を目的としたものではありません。

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