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資産形成

桐谷さんから学ぶ!新NISA活用術

2024.03.29 (金)

投資家

桐谷広人

桐谷さんから学ぶ!新NISA活用術

桐谷さんから学ぶ!新NISA活用術

2024年に新NISA制度が開始され、これまで以上にNISAに対する関心は高まりつつあります。しかし、どのように活用したらよいのかわからない、どのような銘柄を買うべきか、と悩まれる方も少なくないかもしれません。

そこで今回、株主優待生活で有名な桐谷広人氏(以下「私」)にこれまでの投資経験談とNISA活用のポイントについてお話をいただきました。

株主優待投資をはじめたきっかけ

私は元々、将棋のプロ棋士として活動していました。プロ棋士として証券団体へ将棋を教える機会があり、20年以上月に1回将棋を教えに通っていました。指導を始めて5年経った1984年から付き合いで株式投資を始めたので、投資歴は約40年になります。

当時はバブル真っ只中だったので大きく儲けることもありましたが、1990年にはバブル崩壊によって大損もしました。このような経験もあり、しばらく株式投資をお休みすることがありましたが、その後も儲けたり損をしたりしながら値上がり益を狙った株式投資を継続していました。しかし、2008年のリーマンショックでは信用取引をしていたということもあり、バブル崩壊のときと同様に大損してしまいました。

老後どうしようかと途方に暮れていたのですが、そのとき助けてくれたのが株主優待という制度です。リーマンショック以前から株主優待の株を沢山持っていたということで様々な取材を受けました。取材をきっかけに日本一のお金持ちにはなれないけれど日本一の株主優待保有者にはなれると思い、余っているお金で優待のある株をどんどん買い進めました。

株価が下がり、株を売るに売れないときにも優待株を沢山持っていたことで、様々な優待が届きました。お米の現物やクオカード、食事券が届き、当時は家賃も配当金で支払っていました。もちろん配当金だけでは生活が成り立たない状態だったので、生活のほとんどを優待品で賄う生活が続きました。これを機に優待は本当によいものだと気づき、さらに優待株を買い増しするようになりました。

今では値下がりしていた優待株も値上がりし、損失を取り戻すこともできています。株主優待のおかげで元気に暮らしているので、まだ優待株の魅力を知らない方にも株主優待はよいものですよということを知っていただきたいです。

セミナー当日の様子

優待投資の魅力って?

私が思うに優待投資の魅力は、株価の値動きに一喜一憂しなくて済むということです。値上がりを狙う投資をしていた頃は、日経平均が毎日気になっていました。通常、株式は値上がり益で儲けるか配当で儲けるかの二通りがありますが、日本の場合はこのほかに株式優待をもらうという選択肢があります。これは日本独自の制度です。

現在、東京証券取引所に上場している企業は約3,900社ありますが、そのうち約3割が株主優待のある企業です。また、そのうちのさらに4割が長期間株主になると優待品をグレードアップする長期保有優遇制度を設けています。優待銘柄を選定する際は、株価が割安で配当が高く、株主優待がある企業、さらに長期保有優遇制度があればさらによいと考えています。

値上がり益を狙う多くの投資家は、業績を見ています。具体的には、会社四季報を丹念に読んだり、新聞を見たり、業績をネットで調べたり、と非常に手間がかかります。私の場合、毎日株主優待に関する新設や廃止を記した、優待ノートをつくっています。大体1日に2つほど新設・廃止があるので、これを参考に株価が安くなったタイミングで株を買っています。優待を狙った投資を行う際は、株価が上がっても下がっても気にせず長期で投資をするというのがポイントだと思います。

新NISAの良さ、主な変更点

従来のNISA制度は2014年から始まりましたが、年間投資枠はつみたてNISA40万円、株式へ投資できる一般NISA120万円となっており、つみたてNISAか一般NISAのどちらかを選択する制度となっていました。また、非課税期間が限定されていたことから、優待銘柄をNISAで買っても5年間は税金が掛からなかったのですが、非課税期間が過ぎると特定口座に移され、課税対象になってしまうというデメリットもありました。長期保有優遇制度がある優待銘柄を買っても、数年経てば結局課税されてしまうことから優待投資家にとってはあまり使い勝手が良くありませんでした。

しかし、2024年から始まった新NISAでは、非課税期間が無期限になったことから、一度買えば何十年でも利益に税金が掛からないのが嬉しい点です。また、一般NISAにあたる成長投資枠の年間投資枠は、従来の120万円から240万円に倍増しています。さらに、従来ではつみたてNISAか一般NISAかどちらかを選ばなければなりませんでしたが、つみたて投資も同時にできるようになり、かなり使い勝手が良くなったと感じています。

新NISAを活用した銘柄選定のポイント

株式投資をする際に、個別銘柄ではときおり企業が潰れることや大きく株価が下がることがあります。そのため、優待株においても分散投資が必要だと考えています。

優待投資のポイントは、優待銘柄を少しずつ持つほど優待利回りが高くなるということです。配当金の場合、1株配当が10円だとすると100株持っている人は1,000円、1万株持っている人は10万円の配当がもらえます。多く株を保有している分、配当金も多く支払われます。

一方で、株主優待の場合は100株買っても1万株買っても1,000円分のクオカードということがあるように、少ない単位で保有した方が優待利回りは高くなることが多いです。少しずつ様々な優待株を持つことで、業績が悪化したり、優待制度を廃止しても分散投資によって好調な優待銘柄がカバーし、バランスを取ってくれます。そういう意味で優待株の分散投資は有効な投資方法だと思います。私自身も優待銘柄を中心に1,100銘柄へ分散投資をしています。

私が銘柄選定をする際、ポイントとして、配当利回りと優待利回りを合わせたとき4%以上の利回りがあるかどうかを見ています。ただし、NISAで優待銘柄を買う場合は配当が高い方がよいです。優待は元々税金が掛からないので配当が高く、優待制度がある企業に投資するのがよいでしょう。

ネットで「連続増配」や「累進配当」と検索すると、連続で増配している企業や配当を減らさず利益成長に合わせて増配している企業が出てきます。その中から配当が高いものを買うことで、配当利回りが高く今後も増配してくれる可能性の高い企業を見つけることができますし、増配は株価の値上がり要因にもなります。また、優待銘柄を買うか買わないか判断する際には、理論株価を調べ、株価が割安かどうかという点にも着目しています。高配当で理論株価が割安な銘柄を是非探してみてください。

新NISA活用のススメ

トマ・ピケティというフランスの有名な経済学者は、資本主義の現代では金持ちがますます裕福になって貧乏人はますます貧乏になる時代になっているということを主張されています。

日本では、43年ぶりにエンゲル係数が大きく上昇しているとニュースが出ていました。エンゲル係数とは、消費支出に対する食費の割合のことですが、貧乏な人ほど食費の割合が高い傾向にあります。そのほかにも、この30年間先進国で実質賃金が下がっているのは日本だけで、アメリカの実質賃金はおよそ倍になっているというようなニュースも出ていました。

このような厳しい状況が続いている日本ですが、先日の記事で、日本に株式市場が誕生(明治11年)し、144年あまりで当時の株価と比較して約584万倍になっている、というものがありました。長期間で平均すると株価の伸びは賃金の伸びを上回っています。これは、世界中共通していますが、物価や賃金の伸びを上回って、不動産や株の価格が上がっているのです。不動産も株と同じく利回りがよいですが、不動産の場合は保有しているだけで税金や諸経費がかかります。株式の場合、不動産のように膨大な資金がなくとも投資ができ、さらにNISAで保有すれば税金もかかりません。中には、1002万円くらいで優待がつくような銘柄も20前後あります。そのため、お金が余っている人はぜひNISAを活用して投資をしていただきたいです。

FXやビットコインは、誰かが勝って誰かが負けるというギャンブル的な側面が強いのでおすすめしませんが、株式投資は株価が上がればみんなが儲かるものです。また、優待投資は農業みたいなものだと考えています。優待がもらえる権利は年に12回の企業が多いですが、権利をもらって23か月後にやっと優待品が届きます。時間はかかりますが種を蒔き、企業が成長し、配当や優待という形で定期的に収穫が得られるのは農業そのものだと思います。リーマンショックで本当につらい思いもしましたが、値上がり益投資から優待投資に切り替えたことで、値動きに左右されず優待をもらう楽しみができ、人生が楽しくなり非常に良かったです。そういう意味で皆さんにも、NISAを活用しながら優待株に投資をしていただきたいと思います。

※本記事は弊社で開催したセミナーでの内容を元に作成しております。

ライター

桐谷広人

投資家

桐谷広人

2007年七段で現役棋士を引退後、テレビや雑誌にひっぱりだこな株主優待名人の桐谷広人氏。1984年、東京証券協和会の将棋部師範をしていたことをきっかけに株と出会う。バブル絶頂期に株を始め、バブル崩壊やITバブル、リーマンショックなど相場の浮き沈みを経験し、現在は株主優待を中心とした運用で、現金をほとんど使わない「株主優待生活」を送る。 著書に「株主優待のススメ」(祥伝社)、「桐谷さんの株入門」(ダイヤモンド社)、「桐谷さんの米国株入門」(ダイヤモンド社)などがある。

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