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外国市場ガイド:中国・香港編

2021.12.24 (金)

外国市場ガイド:中国・香港編

経済構造の転換を進める世界最大の新興国

中国は2001年のWTO加盟後、豊富で安価な労働力を武器に外国企業を誘致し、加工組立産業を牽引役に輸出を大幅に伸ばしてきました。また、輸出で獲得した巨額の貿易黒字を国内の固定資産投資に還流させたことで、製造業や不動産、金融をはじめとする多くの産業が目覚ましい成長を遂げました。

一方、経済が急速に成長する過程で、過剰生産や人件費高騰、不動産バブル、不良債権問題など様々な問題点が顕在化したため、中国政府は2011年頃から様々な改革を通じて消費主導型経済への転換を図っています。具体的には、税制改革や最低賃金の引き上げ、社会保障制度の整備によって国民の生活水準向上を目指しているほか、地方債務の整理によって金融リスクの低減を図っています。

そのほか、成長戦略の面では、寡占産業の規制緩和や過剰生産能力の削減、戦略的新興産業の育成などによって企業競争力を高め、貿易と対外投資の拡大、金融市場の対外開放などにも力を入れています。経済構造転換を進めている中国ですが、2018年から米国との貿易摩擦が激化し、国内のみならず米国からの圧力にもさらされています。

このような状況に対して、中国政府はハイエンド製造業の育成や「共同富裕」政策を推進していくことで、発展の中で生じた不均衡を解消しようとしています。

歴史から知る中国の文化

中国は東アジア、太平洋の西海岸に位置し、国土は世界3位、2020年時点で約14億人と世界最大の人口を誇る国です。世界遺産の登録数はイタリアに続いて世界第2位で、有名な「万里の長城」や「秦の始皇帝陵 兵馬俑」などは中国で最初に登録された世界遺産でもあります。中国が他国と共同宣言で登録した唯一の世界遺産である「シルクロード」も規模としては過去最大級といわれています。

また、日本でも多く食される中華料理にはその昔、煮込み・直火焼き、生鮮料理が存在しました。現在の強火で炒める中華料理の技法は、北宋の時代、骸炭(コークス)が料理用の炉やかまどなどに転用される事によって生み出されたそうです。その後、世界各地の食材・調味料を取り入れて、独自料理を作り出して現在の中華料理が浸透しました。このように、中国文化は国内だけに留まらず、中華圏や漢字文化圏の国々にも大きな影響を与えています。

中国株式市場の基礎知識

中国には上海、深セン、香港に証券取引所があります。さらに、上海証券取引所と深セン証券取引所にはA株市場、B株市場と呼ばれる2種類の株式市場があります。一部の中国企業は、株主の権利に差がないA株とB株の2種類の株式を発行しており、A株は人民元で、B株は米ドル(上海B株市場)や香港ドル(深センB株市場)で取引されています。

以前は、外国人投資家は上海、深センのB株と香港上場株しか売買できませんでした。しかし人民元の国際化が進められる中で、外国人投資家にもA株の取引が部分的に解禁され、2014年11月に香港と上海証券取引所間の相互接続「上海・香港ストックコネクト」、2016年12月に香港と深セン証券取引所間の相互接続「深セン・香港ストックコネクト」が開始されました。これにより、外国人投資家は香港を経由することで、人民元建ての上海A株と深センA 株にも投資することができるようになりました。

また、香港証券取引所にはメインボードと新興企業向けのGEMの2種類の株式市場があります。香港市場にも多くの中国関連企業が上場していますが、主に登記された場所によってH株、レッドチップと呼び方が異なります。中国本土で登記され香港に上場する銘柄がH株で、電力や鉄鋼など重厚長大型の国有企業株が多くあります。これに対して、中国本土以外で登記され香港に上場する銘柄がレッドチップで(一般的に中国政府系資本が30%以上を占めている)、通信株やテクノロジー関連株などがあります。

上海・深セン株式市場について

主要株価指数と為替相場の推移

代表的な上場銘柄

中国本土市場は上海と深センの2つに分かれています。このうち上海市場は大型国有企業を中心に金融やエネルギー、消費関連の企業が多く、中国白酒大手の貴州茅台酒や国有大手銀行の中国工商銀行、免税店大手の中国旅游集団中免などが時価総額の上位を占めています。一方、深セン市場は新興・ハイテク企業を中心に電子部品や製造業関連の企業が多く、防犯カメラ大手の杭州海康威視数字技術や家電大手の美的集団、物流大手の順豊控股などが上場しています。

また、深セン市場は2009年に「創業板」、上海市場は2019年に「科創板」と呼ばれる新興市場をそれぞれ立ち上げました。これらの新興市場は日本の個人から直接投資することができませんが、EV用バッテリーのCATLや半導体製造装置の中微半導体などの有力企業が多く上場しており、中国の産業構造転換を担う存在として注目されています。

取引概要

香港株式市場について

主要株価指数と為替相場の推移

代表的な上場銘柄

香港市場はかつてHSBCホールディングスのような外資系金融と大手国有企業が時価総額の上位を占めていましたが、近年中国の経済構造転換を背景にITやハイエンド製造関連企業の存在感が急速に高まっています。現在、香港市場の時価総額トップはゲーム・SNS大手のテンセント・ホールディングス、第2位はフードデリバリー大手の美団点評となっているほか、米国市場にADR(米国預託証券)として上場するアリババ・グループ・ホールディングやJDドットコム、ネットイース、バイドゥなどの大手IT企業も相次いで香港に回帰上場しました。

また、香港ハンセン指数の算出元であるハンセン指数公司は、2020年7月に香港版ナスダック指数である「ハンセンテック指数」の公表を開始し、ハンセン指数とハンセン中国企業指数の業種構成を見直すなど、香港市場はオールドエコノミー中心の市場からニューエコノミー中心の市場に変貌を遂げつつあります。

取引概要

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ライター

マーケティング部

アイザワ証券

マーケティング部

お客様のニーズを把握し、企画・販売促進を行う「企画推進課」、各種商品等の販売動向を分析し、企画・戦略立案にトスアップする「分析課」、若手営業員の育成を支援しながら、当社独自の資産形成ビジネスを構築する「資産形成課」などを通じて、営業企画の全般を担う。さらに、2021年3月に「デジタルマーケティング課」を発足。SNSの運用を強化するのに合わせて、同年10月に投資情報専用サイト「ゼロから学べるアイザワ投資大学」をリリース。お客様への情報提供を充実させるとともに、デジタルマーケティングにより営業現場を支援する。

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