
金融犯罪にご注意!金融犯罪の種類と知っておくべき出来る対策
2025.08.15 (金)




金融犯罪は私たちの日常生活に深く入り込み、被害に遭うリスクが高まっています。詐欺の手口は年々巧妙化・多様化しており、誰しもが被害者になる可能性があります。本記事では、金融犯罪の代表例やその背景、被害を防ぐための具体策、万が一被害に遭った際の対応方法などを紹介します。
金融犯罪が拡大する背景
金融犯罪とは、現金や金融商品、あるいは銀行口座などを不正に利用し、利益を得ようとする行為を指します。一般的には詐欺や盗難、マネー・ローンダリング(マネロン)などさまざまな形態がありますが、その根底には対象者の「情報不足」や「安心を装った誘い」を突く手口が多いことが特徴です。
昨今はインターネットやSNSの普及によりデジタル技術を悪用した犯罪が増え、被害の範囲が拡大しています。組織的に行われるケースもあり、個々の対策だけでなく、企業や社会全体の防止策も求められています。
代表的な金融犯罪
金融犯罪にはさまざまな手法が存在しますが、どの犯罪にも共通する点として心理的な隙や生活上の油断を狙う傾向にあります。まずはこれらの詐欺手口を十分に知り、自分や家族、取引相手の行動を見直すことが防止策の第一歩です。

特殊詐欺(振り込め詐欺・還付金詐欺など)
振り込め詐欺は、家族や知人を装って電話等で金銭をだまし取る(振り込ませる)詐欺の代表例です。オレオレ詐欺という名称で知られています。
また、還付金詐欺では公的機関や健康保険組合を名乗り、還付金があると嘘をついてATMを操作させる手口も多く報告されています。『返金を急いでいます』などの焦燥感を煽る文言があっても対応しないようにしましょう。
フィッシング詐欺・インターネットバンキング詐欺
銀行やクレジットカード会社を装い、ログイン画面へ誘導して入力した個人情報を盗み取る手口がフィッシング詐欺です。偽のメールやSMSでよく使用される手口です。
特に近年は偽サイトも巧妙に作られており、一見すると公式のものであるかのように見えるものをあるため、ブックマークの利用やサイトドメインなどを十分に確認しましょう。
不正アクセス
他人のアカウントやサーバに侵入し、個人情報や機密データを盗み取るまたは先述のフィッシング詐欺等によって盗み取った個人情報から他人のアカウントに入ることも不正アクセスになります。
特にパスワードの使い回しや二段階(多要素)認証の未設定など、セキュリティ意識の低さを突かれて被害に遭う例が後を絶ちません。外部からの攻撃だけでなく、身近な人間による内部犯行もあり得るため、日常的なセキュリティ強化の習慣を持つことが不可欠です。
SNS投資詐欺・金融商品詐欺
SNSのグループチャットなどで「高利回りを保証」「必ず儲かる投資案件」などの誘い文句を持ちかけて資金を騙し取る事例が急増しています。著名人や専門家、知人を装った誘いであっても実際にはオンラインで組織的に活動している詐欺業者がなりすましている可能性が高いです。出資金の支払後に連絡が途切れたり、架空の利益画面を提示して追加入金を促すなどの被害例もあります。必ず利益が出る、という文言には十分に注意しましょう。
マネー・ローンダリング及びテロ資金供与
マネー・ローンダリングは、違法資金を第三者を経由することで正規の取引に見せかける行為です。国内外の銀行口座を複数利用することで資金の出所をわかりにくくし、組織犯罪やテロ行為の維持に使われることもあります。各国の法規制や国際機関による監視が強化されつつも、グローバル化進行により新たな手口が生まれる可能性も否定できません。
金融犯罪は外部要因だけではありません。従業員による内部不正やマネロンへの加担リスクを防ぐために、コンプライアンス研修や資金管理システムの見直しも定期的に実施する必要があります。規模に関わらず全社的に金融犯罪への知識と意識を高める取り組みが求められます。
具体的な手口と見抜くポイント
金融犯罪の多くは事前に何らかの警告サインや違和感があるため、それを見逃さないことが重要です。メールや訪問など相手の手法を問わず、不審に感じる点がある場合はまずは警戒しましょう。
偽メール・SMSを見分けるチェックリスト
メールやSMSが偽物であるかを判断する場合、以下を確認しましょう。
- 差出人情報(名前、メールアドレス)に見覚えがあるか
- メールアドレスのドメインに不審な点がないか
- 不審な文字列(日本語)はないか
- 『下記リンクからログインしてください』『明日までに支払いをしてください』等、対応を急かすような誘導がないか
もし、該当する場合は危険な兆候にあります。対応が必要か不安な場合には、メールに書かれている連絡先ではなく、公式サイト上の連絡先に直接問い合わせてみましょう。

不審な電話や訪問への対処法
知らない電話からの着信があった場合、『家族が怪我をしている』『金融機関の職員です』といった言葉は鵜呑みにせず、相手の組織名や担当部署の連絡先を聞いたうえで、着信番号が正規のものか確認しましょう。状況によっては折返しとし、正規の連絡先に確認するのも手です。
また訪問の場合、相手の身分証明書や社用車を確認しましょう。しかし社員証や名刺なども偽装されている可能性がありますので、個人情報に関わる話題は避け、怪しい点があればすぐに周囲に相談することが大切です。
SNS上の警戒
SNSでは相手の素性が不明なケースが多く、『短期間で高利益が得られる』という謳い文句の表記や誘われたグループチャット内で『成功体験』を演出している場合は注意しましょう。投資において利益が必ず獲得できる保証はなく、不審を感じたら投資の専門家や信頼できる仲間に必ず相談し、事実確認を行うようにしましょう。
被害を防ぐためにできること
犯罪の手口が巧妙化する中でも、基本的なセキュリティ対策を徹底するだけで危険を大幅に減らせます。パスワードの管理やウイルス対策ソフトの更新、個人情報の取扱いを見直すことは必須です。特にネットバンキングを日常的に利用している人は、公式アプリの使用や二段階認証などを設定し、万全な対策を講じると良いでしょう。
厳重なパスワード管理
パスワードを設定する際は以下のように管理することが重要です。
- 英数字や記号を組み合わせた複雑なものにする
- 特定されやすい数字や文字列の使用はさける(名前、生年月日等)
- 複数サイトでのパスワードの使い回しはさける
- 定期的に変更する
- 人の目につきやすい場所にパスワードをメモしない
特にパスワードの使いまわしは一度情報が漏れた際にあらゆるサービスで不正ログインされるリスクが高まります。人に見られる可能性の低い鍵付きのパスワード管理ソフトを活用するなどして、安全性の高い管理方法を確立しましょう。
公式サイト・アプリの活用と多要素認証
ネットバンキングやクレジットカードの管理画面にアクセスする際は、公式サイトのブックマークや公式アプリを活用しましょう。検索エンジンでは偽サイトが表示されるケースもあります。またアプリも偽アプリが存在するケースがありますので、提供元を十分に確認し、公式サイトなどからダウンロードしましょう。
また管理画面へのログインは多要素認証が推奨されます。万が一、ログインIDやパスワードが漏れても、連携した端末や電話番号、生体要素でしか認証できない場合、不正アクセスを防げる可能性は高まります。使用している金融機関が多要素認証を提供している場合は積極的に活用しましょう。

個人情報の適切な扱い
SNSなどで不用意に住所や電話番号などの直接的な個人情報または個人を特定できる情報を載せると、犯罪者に悪用される可能性があります。ネット上での自己開示は必要最小限に留め、プライバシー意識を常に持ち合わせることが大切です。また郵便物や各種明細書を処分する時は、シュレッダーなどを用いて個人情報が簡単に再生されないよう対策することも心掛けましょう。
もし被害に遭ったときは?
金融犯罪の被害や可能性を感じたら、まずは慌てずに公的機関や金融機関へ連絡しましょう。迅速な行動により被害を最小限に抑えられる可能性があります。必要に応じて被害届の提出や法律の専門家への相談を検討し、早期の段階で適切な対処法を講じると良いでしょう。
警察や金融機関への早急な連絡
被害に気づいた際は、すぐに110番通報や最寄りの警察署に相談し、状況を説明しましょう。また不正取引等の口座に関する被害は金融機関に至急連絡し、すみやかに口座やカードを利用停止にしてもらうことで損失の拡大を抑えられます。
振り込め詐欺救済法などの救済制度
振り込め詐欺救済法は、特殊詐欺で振り込んだ資金を一定の手続きで取り戻せる可能性を提供する重要な制度です。迅速に警察や金融機関へ申し出れば、状況によっては一部または全額の救済が受けられるケースがあります。あきらめずに正しい手続きを踏み、公的な制度や弁護士会などの専門機関を活用してみてください。
まとめ
金融犯罪の被害は、個人だけでなく家族にも大きな影響を与え、場合によっては企業や地域社会全体の信用問題にまで発展します。防止のカギは、自分が被害者にも加害者にもならないように注意を払い、怪しいと感じたら速やかに専門機関に相談することです。
金融犯罪を撲滅するためには個々の意識、社会全体の協力が重要となります。日頃より注意を凝らして判断や対処していきましょう。
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