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比べてみよう!図で見るアジア

2021.12.24 (金)

比べてみよう!図で見るアジア

前回の講義では、世界の技術革新を主導し、高成長を続ける米国のハイテク企業や、配当などの株主還元を重視する企業が多い米国市場、また、近年、日本の高度経済成長期を彷彿させるような経済成長を追い風に、大きく値上がりするアジア新興国市場など、海外市場にも沢山の魅力があることを解説しました。


アイザワ証券では、アジアの高成長にいち早く目をつけ、2000年に香港、台湾、韓国の3市場の取り扱いを開始、その後も一歩ずつ取り扱い市場を拡大してきました。現在、上海、深セン、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、イスラエルを加えた12市場の株式も取り扱っています。これらアジアの市場と直結した取引システムを構築し、特に時差が少ないアジア市場の株式を国内感覚でリアルタイムの取引ができます(一部市場を除く)。


今回は、これら12市場(10か国)について、面積、人口、名目GDP、1人当たりGDP、貿易額の5つの面で比較し、個性あふれるアジア各国を覗いてみましょう。

面積(2020年)トップ5

10か国の中で、最も広大な面積を有するのは中国、次いでインドネシアです。特に中国は世界4位かつ日本の25倍の規模を誇ります。また、両国は豊富な天然資源も保有しています。特にインドネシアでは、輸出額の3割近くを石炭や天然ガスなどの鉱物性燃料と、パーム油などの動植物性油脂が占めており、これら天然資源の輸出動向が経済や株価に大きく影響します。

人口(2020年)トップ5

10か国の中で、最も多くの人口を擁するのは中国、次いでインドネシア、フィリピンと続きます。特に中国は世界最大、インドネシアは世界第4位の規模を誇ります。長く「一人っ子政策」を実施してきた影響から、近年中国では少子高齢化が進んでいるのに対して、インドネシア、フィリピンでは、働き手が子どもと高齢者の2倍以上いる「人口ボーナス期」が、2030年から2040年ごろまで続くと見られています。一方、ベトナムについては、「二人っ子政策」(2017年に廃止)の影響から周辺国に比べて少子高齢化が進んでいるものの、労働力人口は2040年ごろまで緩やかな増加が見込まれています。

このように豊富な労働力は先進国を始めとする海外企業の進出を促し、経済成長を後押しすることが期待されます。加えて、所得水準の向上により、国内の消費市場の拡大も見込まれます。これらの国々は「世界の工場」であるとともに「世界の消費市場」としても注目を集めています。特に人口が1億人前後のインドネシア、フィリピン、ベトナムは、近年、若年層を核とした豊富な人口などが評価され、株式市場に海外資金が流入しています。これらの国では、市場を代表する銘柄の一つとして消費関連銘柄が資金を集めています。

名目GDP(2020年)トップ5

10か国の中で、最もGDP(国内総生産)が大きな国は中国で、日本の約3倍にあたります。なお、日本の名目GDPの規模は2010年に中国に抜かれて以降、米国、中国に次ぐ世界第3位となっています。

そもそも、GDPとは1年間に国内で生み出された生産物やサービス(付加価値)の合計で、一般的に国の経済規模や国の豊かさを表す指標として使われます。2008年から2019年までの間に世界の名目GDPが37%拡大したのに対し、中国は213%、ASEAN(東南アジア諸国連合※)は96%と大きく拡大するなど、近年、世界経済における中国やASEANの存在感が増しています。

また、株価の割安・割高を計る指標の一つに「バフェット指数」があります。これは、各国の時価総額を名目GDPで割り、100を掛けた数字で、一般的に100を上回ると割高、下回ると割安とされます。株価は長期的に見るとその国の経済力に見合った水準に近づくという考え方がもとになっており、米国の著名投資家であるウォーレン・バフェット氏が重視する指標として有名です。ASEANの多くの国は100を大きく下回っているため、経済成長を追い風に株価の上昇余地は大きいと考えられます。

1人当たりGDP(2020年)

10か国の2020年の1人当たりGDPを、日本の過去の1人あたりGDPの推移に照らし合わせたのが下図です。

ひと口にアジア経済といっても、日本の高度経済成長期に位置しているのがフィリピンとベトナム、高度経済成長期を脱し、安定成長期への過渡期(中進国)に位置しているのがインドネシア、タイ、マレーシア、中国、そして経済面ではすでに先進国に位置付けられるのが台湾、韓国、イスラエル、シンガポールとさまざまです。

一般的に、1人当たりGDPが1,000~3,000米ドルのときには白物家電などの耐久消費財が普及し始めると言われています。さらに、3,000~10,000米ドルのときに自動車などが普及し始め、医療、教育、レジャーなどのサービス支出が増加します。高度経済成長期から中進国にいる国々では、発展段階に応じた消費市場の拡大が期待されています。

貿易額(2020年)トップ5

10か国の中で、最も貿易額(輸出額と輸入額の合計)が大きいのが中国で、日本の3倍以上に上ります。2020年の中国の貿易黒字は約5,400億米ドルと、2015年に次いで過去2番目の大きさとなりました。

2017年発足したトランプ前政権は、こうした中国の多額の貿易黒字を問題視し、中国からの輸入品に高関税をかけるなどの制裁を発動、中国側も対抗措置を講じるなど、貿易戦争へと発展しました。近年、製造業におけるサプライチェーンが世界規模に広がる中、両国の摩擦は世界貿易を揺るがす事態となっており、引き続き動向を見守る必要があるでしょう。

そのほか、中国の最大の貿易相手国・地域はASEANでした。背景にはASEAN・中国FTA(自由貿易協定)による経済協力の深化や、ベトナム、マレーシア、シンガポールなどとのサプライチェーンの緊密化などが挙げられます。一方で、これらはASEAN経済が以前に比べて中国経済の動向の影響を受けやすくなっていることも示唆しています。

一方で、米中貿易戦争の長期化はアジア各国に代替需要をもたらしています。詳細は各国の講義でお話しますが、株式市場では韓国や台湾の半導体株や電子部品株、ベトナムの工業団地、水産、繊維、港湾などの貿易関連株が断続的に物色されています。

この講義ではアジア各国を主な指標で比較し、経済規模や発展段階を見てきました。大まかな感覚を掴めたでしょうか?次回の講義からは、アイザワ証券が株式取引を取り扱う10か国について、経済や文化、株式市場などをより具体的に見ていきます。

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ライター

北野 ちぐさ

マーケティング部

北野 ちぐさ

2002年にアイザワ証券に入社後、リテール営業を経て、2007年より投資リサーチセンター(現市場情報部)でアジア新興国市場の調査、分析を担当。ベトナムやインドネシアなどアセアン市場を中心に、わかりやすい視点で有望株を紹介する。2020年より戦略企画部でデジタルマーケティングも兼務する。

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