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金利とは 引き上げられると生活にどんな影響を与える?

2026.01.26 (月)

アイザワ証券

アイザワ投資大学 編集チーム

金利とは 引き上げられると生活にどんな影響を与える?

近年、世界的な金利動向は注目を集めています。日本でも日銀による政策金利の引上げが話題にのぼり、私たちの生活や企業活動にどのような影響を与えるのか、多くの人が関心を寄せています。金利は預貯金の利息やローンの返済額に大きく関わるため、経済全体の流れを大きく左右する要素です。特に日本における利上げが、長期金利や為替相場、物価などへ波及する可能性も無視できません。

本記事では、金利の基本的な定義から実際に引上げが行われる背景、生活に及ぼす影響についてわかりやすく解説します。

金利とは?

まずは金利がどのように定義され、なぜ経済活動で重要なのかを理解することが大切です。

金利とは、一定期間お金を貸し借りする際に発生する利息の割合(利率)を指します。私たちに身近なものとしては、銀行にお金を預けたときに受け取る預金金利や、ローンを組んだときに支払う貸出金利があります。

これらの金利を決める軸になるのは、国が発行する国債の利回りです。国債利回りは金融市場で形成され、多くの金利の基準として参照されます。

では、この国債利回りはどう決まるのでしょうか。国債は市場で売買され、買われて価格が上がると利回りは下がり、売られて価格が下がると利回りは上がるという関係があります。日銀の金融政策(政策金利の変更)や、景気・物価の見通しは国債の売買を通じて利回りに反映されやすく、その結果が預金金利やローン金利にも波及します。

こうして形成される金利は、言い換えれば“お金のレンタル料”とも考えられます。レンタル料が上がれば借りるコストが増え、下がれば借りやすくなるように、金利の水準は経済全体の資金の流れを左右し、企業や個人の活動に大きな影響を及ぼします。

金利が上がるとどうなる?

金利が上昇すると金利負担が大きくなるため、消費や投資が控えられる傾向があります。これにより、物価上昇(インフレ)の過熱を抑える効果も期待されます。経済全体でお金が借りにくくなることで需要が下がり、過度な価格上昇が抑制される仕組みです。

一方で、貯蓄面では恩恵もあります。定期預金などで貯蓄している人にとっては利息収入が増えるためです。ただし、金利が上がると預金や国債など安全資産の利回りが相対的に魅力を増すため、株式などリスク資産は利回り比較の観点で評価が厳しくなり、局面によっては株価に下押し圧力がかかることもあります。

金利が下がるとどうなる?

金利が下がると借入コストが減り、企業は資金調達が容易になります。また資金が借りやすくなることや返済負担を和らげることで、消費や投資意欲を底上げし、景気刺激効果をもたらします。こうした動きはGDPを押し上げる要因にもなり得ます。

ただし金利が長期的に低いままだと、過剰投資やバブルを引き起こす可能性も否定できません。また預金金利が下がるため、高齢者を含む預金生活者の利息収入減少といったデメリットも含んでいます。

日銀政策金利が金融市場に与える影響

日銀の政策金利は金融機関が資金をやり取りする際の基準となるため、国内の金利全般と強く連動しています。また、国際的な投資資金の流れにも関係が深く、為替相場や株式市場に影響を及ぼす可能性があります。

金利はいつ変動する?

金利は固定されているわけではなく、内外の経済情勢や政策決定会合の結果によって柔軟に見直されます。日銀では年間を通じて複数回の金融政策決定会合を開き、経済環境や金融市場の動向を踏まえて政策金利を調整します。

※参考:直近の金融市場調整方針

物価や経済成長率の見通しが大きく変化した場合だけでなく、急な国際情勢の変動があった場合も、時期をずらして金利が動く可能性があります。また、主要国の中央銀行との協調や、為替相場の急激な変動を抑える目的で金利を変更するケースもあります。特にアメリカの金融政策は世界的な資本の流れを左右し、日本の金利にも間接的に影響を及ぼすため注目度が高いと言えます。

金利の変動タイミングを予測するのは専門家でも難しく、実際の会合結果によって市場が驚く場合も少なくありません。そのため、一連の政策決定の流れをウォッチしながら、リスク管理や資産運用を考えることが大切です。

金利上昇が及ぼす生活への影響

金利の引き上げが私たちの暮らしのあらゆる面に及ぼす影響は少なくありません。為替相場の変動や企業業績、家計の食費など、私たちの身近なところにも影響を及ぼします。

では実際にどのような影響があるのでしょうか。その一例をご紹介します。ただし、利上げによって必ずしもこの影響が及ぼされるわけではありませんのでその点は注意しましょう。

インフレの抑制による家計の安定

金利の上昇はインフレ抑制に効果があります。インフレによる物価上昇が続く状態は、同じ給料でも買える量が減るため、実質的な生活水準を下げてしまいます。そのため利上げが物価の上振れを抑え、生活必需品の値上がりペースが落ちれば家計にとっては長期的な安定につながります。家計は値上げそのものよりも、値上げが続く不確実性に弱いため、物価の見通しが安定すること自体が大きな利点になります。

通貨の魅力の上昇

金利が高い国の通貨や債券は利回りが魅力になりやすく、資金が流入すると通貨高になりやすい傾向があります。日本が利上げし、海外が据え置きなら円高方向の材料になり得ます。円高方向に動けば、食料品やエネルギーなど輸入に依存する品目のコストが下がりやすくなり、物価の押し上げ要因が弱まる可能性があります。輸入比率が高い分野の値上げ圧力が和らげば、家計の体感にもつながりやすいです。

利上げの効果は、金利そのものより、為替や期待の安定を通じてじわじわ効くことがあります。

しかし実際の為替変動は地政学リスクや投資家の心理によっても左右されます。金利だけで決まらないため、利上げ=必ず通貨高と決めつけず、材料の優先順位が何かを意識することが重要です。

利子収入の増加

預金や債券などの利回りが上がれば、利子収入が増えやすくなりますので、現金比率が高い人や年金生活者などにとって恩恵が受けやすくなります。超低金利では見えにくかった「現金を置いておくコスト」が小さくなり、資産の置き方に選択肢が増える点もメリットです。

ローンなどの返済額の増加

変動金利型のローンは利上げの影響を受けやすく、住宅ローンをはじめ、カードローンや自動車ローンなども金利見直しで返済額が増える可能性があります。また家計に直接打撃となるだけでなく、将来のローン借り替え計画にも影響が及ぶ可能性もあります。家計が苦しくなる典型は、金利上昇そのものより、想定外の上昇幅で生活費の余力が削られるケースです。

しかし「利上げ=すぐに返済額が増える」とは限りません。ローンは見直しタイミングが決まっており、銀行の基準金利の変更が実際の適用金利に反映されるまで時間差があります。慌てて判断するより、契約条件と見直し時期を確認し、家計全体でローンと預貯金のバランスを考えることが重要です。

資金調達コスト増加や賃上げの鈍化

金利の引上げにより銀行から資金を借りる際のコストが増加するため、企業は投資や採用に慎重になります。研究開発や設備投資に充てられる資金が削られ、賃上げも鈍化しやすくなると雇用の先行き不安が強まることがあります。利上げは物価を落ち着かせる目的でも、家計から見ると「支出が増えるのに収入が伸びにくい」という形で同時に効く局面があり、備えの重要性が増します。

企業の資金調達・賃上げと金利は相互に複雑な影響を及ぼし合います。単にコスト増という形で終わるのではなく、適切なバランスをとることで、個人消費や企業活動にとっても安定した環境を整備できる可能性が高まります。

株価が変動しやすくなる

金利上昇は株価の調整要因になりやすく、資産運用をしている人は評価額の変動を受けやすくなります。ここで一括投資の偏りが大きいと心理的に耐えにくくなるため、長期・分散・積立を基本に、短期の値動きに振り回されない仕組みを作ることで、家計の安全余力と運用方針の両方が問われます。生活防衛資金を別枠で確保しておくことがリスク管理として有効です。

まとめ

金利の引き上げが本格化した場合、まずは住宅ローンやクレジットカードの金利タイプを点検し、固定金利への借り換えや返済計画の見直しを検討することが重要です。変動金利は金利上昇の影響を直に受けやすいため、支出が急増しないよう対策を考えておくことが求められます。老後資金や教育資金など長期的な資産形成プランを見直すことも重要です。

そのために経済指標や日銀の政策発表を定期的にフォローする習慣をつけましょう。金利政策は常に変動するものであり、想定外の動きが起こることも珍しくありません。情報を集めながら柔軟に対応することで、高金利時代にも安心して生活できる土台を築くことが可能です。

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