【今月のたけぞう氏ピックアップテーマ】肥満症治療薬で注目の関連銘柄5選
2025.11.27 (木)
私もここ数年で体重が増加しており、来年は減量したいと考えています。
厚生労働省の2022年「国民健康・栄養調査」において肥満およびやせの状況に関わる調査結果では、20歳以上における肥満者の割合は男性31.7%、女性21.0%となっています。世界で増加する肥満人口に伴い、高血圧や糖尿病による社会保障負担の増大も指摘されています。
またトランプ米政権が米国のビザの発給を拒否できる理由に肥満や糖尿病、心臓疾患などを加えたとの報道がありました。特に永住を希望する人が対象になるとみられています。
米製薬大手イーライリリー社は、2027年にも重度の肥満症患者向けに新しいタイプの肥満症治療薬を発売する事を発表しました。今後も肥満症治療薬の拡大が見込まれます。
そこで、今回は肥満症治療薬の関連企業を取り上げました。
中外製薬(4519)
2025年8月米イーライリリー社は、中外製薬が創薬し米イーライリリー社が開発している経口型肥満症治療薬「オルフォルグリプロン」において、糖尿病患者を対象とした後期臨床試験で主要目標を達成したと発表しました。
また、10月には、スイスのエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社と、肥満症および2型糖尿病の治療薬として開発中の持続性GLP-1/GIP受容体作動薬CT-388について、導入契約を締結した事を発表しました。中外製薬はCT-388の日本における独占的開発権および販売権の許諾を受けて、その対価として契約一時金およびマイルストンをロシュ社に支払う契約となっています。
富士フイルムホールディングス(4901)
処方薬として高度肥満症の治療に用いられる経口薬「マジンドール(食欲抑制薬、製品名:サノレックス)」を扱っています。あらかじめ適用した食事療法及び運動療法の効果が不十分な高度肥満症(肥満度+70%以またはBMI35以上)における食事療法及び運動療法の補助を行います。
また、サプリメントとしてBMIが高めの方のおなかの脂肪減少をサポートする「メタバリア」も販売しています。食事からの糖や脂肪の吸収を抑え、継続摂取によりおなかの脂肪や体重、ウエスト周囲径を減らす効果が期待出来ます。
大阪ソーダ(4046)
大阪ソーダは、薬の製造に使うシリカゲルを手掛け、低分子・中分子医薬品向けで世界トップシェアを誇ります。肥満症治療薬としては、インスリンの分泌を促すことで糖尿病治療にも用いられるGLP-1RAが知られ、デンマーク製薬大手ノボ・ノルディスク社の「ウゴービ」などが普及、大阪ソーダのシリカゲルの精製にも使用されています。
肥満症治療薬向けの需要が増加を受け、2026年度の稼働に向け兵庫県尼崎市や愛媛県松山市の工場で設備を増強中ですが、新たに2027年度ごろの完工を想定した増設の検討に入りました。
ツムラ(4540)
複数の肥満用漢方薬を販売しています。
ツムラ漢方防風通聖散エキス顆粒は、便秘を伴う肥満症に用いられる漢方薬です。お腹まわりに脂肪が多い、いわゆる「脂肪太り」の方に適しています。食事量が多いと、体内に熱が溜まりやすくなりその熱をうまく発散できないと、便秘や吹き出物などの原因になるとされています。
ツムラ漢方大柴胡湯エキス顆粒は、肥満症や高血圧・肥満に伴う肩こりや頭痛などの症状に用いられる漢方薬です。便秘ぎみの方、ストレスを感じやすい方に適しています。
アステナホールディングス(8095)
2023年6月に孫会社であるJITSUBO株式会社を通じて、デンマークの製薬大手ノボ・ノルディスク社と、糖尿病・肥満などの疾患分野における独占的製造ライセンス契約を締結しています。ノボ・ノルディスク社は、糖尿病治療薬の市場で圧倒的なシェアを持ち、特にGLP-1製剤の市場では約80%のシェアを握っています。
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