 
					【今月のたけぞう氏ピックアップテーマ】 南鳥島レアアース開発で期待の注目関連銘柄5選
2025.10.29 (水)
 
				 
				 
					 
				中国によるレアアース(希土類)の輸出規制強化を背景に、日本最東端・南鳥島の海底に眠るレアアース資源への注目が高まる中、国立研究開発法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC)が2026年1月に南鳥島の沖合でレアアースの試掘、掘削を始める予定です。
この計画では、2026年1月に南鳥島海域の水深6000メートルの海底で、地球深部探査船「ちきゅう」の船上から揚泥管と接続した採鉱機を降下させ、船上への揚泥を確認する接続・採鉱試験を実施する予定です。南鳥島の有望海域(2500平方キロメートル)のみでもレアアースの埋蔵量は1600万トン超と世界3位の規模となっています。
では、なぜレアアースは必要なのでしょうか?レアアースは希土類元素と呼ばれ、31の鉱種があるレアメタルの一部に属します。そしてそのレアメタルは、ごくわずかな量でもハイテク機器の性能を飛躍的に向上させるため、パソコンやスマートフォン、電気自動車、再生可能エネルギー機器など、現代の産業に不可欠となっている為です。
今回はそうした中で関心が集まっているレアアース関連企業をご紹介します。
東洋エンジニアリング(6330)【貸株注意喚起銘柄】
各種産業プラントの研究・開発分野を中心に、グローバルな舞台でプラント建設を手がけているエンジニアリング会社です。
同社はこれまで培ってきた資源開発技術、サブシー技術を活用して、海底6000mからレアアース泥を回収するシステムの技術開発に携わっています。具体的には、粘性が高くスムーズに流れない海底面のレアアース泥をスラリーに変え、船上に汲み上げるためのサブシープロダクションシステムにおいて解泥・揚泥機の基本設計、詳細設計、製作を担い、2022年度には採鉱・解泥・揚泥試験に成功しています。
三井海洋開発(6269)
海洋石油・ガス田において浮体式生産設備を用いた石油・ガス生産のためのトータルサービス提供を主な事業とする企業です。
同社は2012年に東京大学、三井物産と合同で南鳥島沖の海底に広がる泥が含むレアアース(希土類)の採取実験を試みた実績があります。また2022年には、経済産業省資源エネルギー庁からの委託により国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)が実施している表層型メタンハイドレート回収技術開発に関わる要素技術開発に参加し、以降も大口径ドリルを用いた広範囲鉛直掘削法による回収技術開発を進めました。
古河機械金属(5715)
機械、素材、不動産など幅広い分野で事業展開している企業です。
同社の強みは、鉱山開発で培った技術を時代の要請に応えて多様に進化させてきた技術力です。そうした実績もあり独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の公募に応じ、2018年から大学、民間企業1社との3者連携の本格的な技術開発を開始しました。地上の鉱山開発で培った油圧クローラドリルやスラリーポンプなどの技術を応用し、過酷な深海環境に対応する海底資源向け採鉱機の試作を進めています。知的財産面でも、海洋鉱物採鉱において有望な特許を保有しており、今後の実用化に向けて優位性を確立しつつあります。
島津製作所(7701)
計測や医用、産業、航空などの多分野における機器の開発・提供をしている企業です。
JAMSTECによる自律型無人探査機(AUV)で海底に設置した観測システムからデータを自動回収する実証実験に協力した実績があります。この実験で「ハーベスティング」と呼ばれる回収方式が世界で初めて成功となりました。実験で使用したAUVには、同社製品の水中光無線通信装置「MC100」の上位機種を搭載していました。
AUVによる高解像度データは、海底下の堆積物試料(コアサンプル)の分析データと比較・統合することにより、レアアース泥の詳細な空間分布を把握、資源量評価の精度が向上され、レアアース採鉱における安全性や作業効率の向上に役立つといわれています。
いであ(9768)
環境と建設の両分野を組み合わせた総合的なコンサルティングを提供している企業です。水中ロボティクス技術を軸に、拡大する海洋調査市場の事業展開を図っています。
同社が開発・保有するTUNA-SAND級ホバリング型AUV(自律航行型水中ロボット)『YOUZAN』のニーズが高まり、海洋資源開発や遠隔離島での深海の海底環境、生態系調査など複数業務の受注があります。海洋調査の技術力向上と、水中ロボティクス技術を掛け合わせた事業を拡大するほか、環境関係分野での企業向けコンサルティングサービスのさらなる展開に注力するとしています。
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