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コリアインサイト 自動車を超え「フィジカルAI」のリーダーへ 現代自動車グループが描くロボティクスの未来

2026.01.29 (木)

有進投資証券

成 承桓

コリアインサイト 自動車を超え「フィジカルAI」のリーダーへ  現代自動車グループが描くロボティクスの未来

昨今、韓国の現代自動車の株価の躍進は目覚ましい様子を見せています。202510月には20万ウォン台で推移した株価は今年121日には55万ウォンを超えました。その背景には現代自動車グループと現代自動車が単なる自動車メーカーを超え、人工知能(AI)が物理的な実体として具現化される「フィジカルAI(Physical AI)」時代を先取りする最有力企業として注目されていることがあります。

トヨタとの類似性、そしてそれを上回る「技術的攻勢」

現代自動車グループが展開している種類は、ハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車(EV)、水素燃料電池自動車(FCEV)であり、日本のトヨタ自動車と極めて類似しています。両社とも市場の状況に対する柔軟な対応をみせており、グローバル最高水準の営業利益率を維持しています。

しかし、「未来技術への投資および導入の積極性」という面においては、現代自動車グループが一歩先んじているのではないでしょうか。特にヒューマノイドロボット分野において、米ボストン・ダイナミクスを傘下に持つ現代自動車グループの地位は、すでにグローバルリーダーと呼ぶに相応しいと思います。

フィジカルAI・リーダーシップの核心はグループ会社別の垂直統合

現代自動車グループの競争力の核心は、ロボットのバリューチェーンをグループ内で完全に内製化し、垂直統合した点にあります。各グループ会社は単なる協力関係を超え、ロボットの「脳」や「筋肉」、「神経」に至るすべての要素を分担・統合しています。

各グループ会社(系列会社)の役割は以下になります。

米ボストン・ダイナミクス「源泉技術及びハイエンドロボット」

グループのロボティクスにおける「頭脳」であり「心臓」です。20261月、米ラスベガスで開催のCES 2026において公開された「新型アトラス(All-New Atlas)」は、360度回転する関節と触覚センサなど、圧倒的な技術力を披露しました。2028年の量産を目標に、人間労働を代替するヒューマノイドの技術的標準を確立しています。

All-New Atlas

(写真:現代自動車グループ会社資料、有進投資証券)

現代自動車、起亜「戦略的要衝および実証」

現代自動車(韓国:005380)および起亜(韓国:000270)はロボティクスのビジョンを樹立し、投資を主導しています。特に米ジョージア州の新工場(HMGMA)のような先端生産施設を新技術の検証を行う実験環境「テストベッド」として提供し、ロボット技術を実際の量産ラインに最適化させています。

現代モービス「核心ハードウェアおよび『筋肉』」

現代オートエバーはロボットの知能と連結性の責任を担っています。ロボットがスマートファクトリーに投入される際の運用・保守を担当し、米ボストン・ダイナミクスと顧客をつなぐ技術的な「ブリッジ」の役割を果たします。

現代ウィア、現代グロービス「産業用ロボットおよび物流自動化」

現代ウィア(韓国:011210)は協働ロボットや自律走行搬送ロボット(AMR)、無人搬送ロボット(AGV)を供給し、現代グロービスはこれらを活用し、AIベースのインテリジェントな物流サプライチェーンを完成させます。

「統合アクチュエータ」で築く技術的参入障壁

日本においてハーモニック・ドライブ・システムズなどが特定の超精密部品で独占的なシェアを保有しているのに対し、現代自動車グループはソフトウエア制御アルゴリズムと駆動部を内製化した「オールインワン(All-in-one)ソリューション」で優位に立っていると思われます。特に現代モービスの統合アクチュエータモジュールは、顧客がロボット開発時に複雑なアルゴリズムを別途設計する必要をなくし、開発効率を高めることが可能です。部品規格を先取りしてきた日本の従来の強みとは異なり、これはもう一つの強力なエコシステムの参入障壁となります。

スマートファクトリー「HMGMA」で証明される未来の生産性

これらのロボティクス技術は、もはや遠い未来の夢ではありません。米ジョージア州の「HMGMA」は、ロボットによる先端スマートファクトリー技術が適用される試験場となっており、現代自動車は2028年から年間3万台規模のヒューマノイドロボット「アトラス」を量産し、組立工程に投入する計画です。ロボットによる労働力の補完が、長期的なコスト削減と生産性革新につながるビジネスモデルをグループ内で完成させつつあります。

バリュエーション・アップサイドの機会

エヌビディア(NVIDIA)のエコシステムへの参入とともに、現代自動車グループの自律走行およびロボティクス技術は再評価される局面に突入しました。ロボット用アクチュエータ供給企業のバリュエーションが、過去の電装部品企業の倍率を上回る可能性があります。

自動車メーカーがロボット企業へと変貌する際に発生するシナジーは莫大です。ハイブリッド市場での堅実な収益を背景に、フィジカルAIという未来の成長源に投資し、グループ全体が歯車のように噛み合って相乗効果を生み出す現代自動車グループのモデルは、非常に魅力的に映ります。今こそ「レガシー」というフレームを脱ぎ捨て、ロボティクス・バリューチェーンを完成させた現代自動車グループを正しく評価すべきところでしょう。

※アイザワ証券では現代オートエバー、現代グロービスの取り扱いはありません。

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ライター

成 承桓

有進投資証券

成 承桓

全南大学卒業後、未来アセット証券、教保証券、SK証券を経て、2008年に有進投資証券入社。国際営業チーム、海外事業チーム、海外投資チームを経て、2021年よりマルチ金融チームで日本の不動産及び金融商品を担当している。趣味はランニングと映画鑑賞。

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