日本株トピックス|バリュー株再考
2026.07.06 (月)
当記事は毎月、アイザワ証券投資情報サイトに掲載しているSHIODOME 投資環境マンスリーより抜粋しております。
日経平均が高値圏で推移する中で、中期的にはバリュー株にも見直し余地が残る
AI・半導体株に牽引され日経平均が7万円を突破する中、気になるのが物色動向の変化である。弊社では短期的にバリューシフトが進むと考えているわけではないが、他方で株高の持続には物色の広がりが重要な要素になる。本稿では来るバリューシフト局面に向けて、外部環境を踏まえ有望なセクター・銘柄を先回りして確認する趣旨である。下表では主要バリューセクターの代表銘柄の比較をしている。
バリュー株投資を考える上で重要な論点が金利との関係である。10年国債利回りが上昇する中で株式配当利回りとのスプレッドは縮小傾向にあるが、この点はバリュー株の投資魅力低下に繋がるリスクがある。そのため、金利上昇局面では持続的な配当成⾧が見込める(≒配当の原資たる利益の成⾧が期待できる=配当成⾧が金利上昇に割負けしない)セクター・銘柄を選択することが望ましい。PER・PBRに加えてPEGレシオ等の成⾧性を加味した指標が有効となる。そのほか、不動産や電鉄といった金利上昇が直接的に収益を圧迫しうるセクターはアンダーパフォームする可能性があり注意が必要だろう。
次にインフレ等の外部要因の影響について整理する。実質賃金が依然としてマイナス圏に沈む中では価格転嫁が難しい商品・サービスを展開するような、インフレ耐性の低いセクターの業績動向には注意が必要である。具体的には小売、通信等が該当する。また今年に入ってから、イラン情勢の緊迫化が資源価格を押し上げていた。その中で商社、石油等(海運も同様)の資源関連セクターはリスクヘッジの観点から選好されていた側面があり、沈静化に向かう中では短期的にアンダーパフォームする可能性がある。なお為替については、弊社では当面160円前後のレンジでの推移を想定している。輸送用機器をはじめ円安メリット企業の収益安定化に寄与する可能性がある。
これらを踏まえて弊社が注目するセクター・銘柄は、コアとなる銀行に加え、JT(加熱式たばこのシェアアップによる業績成⾧)やオリックス(安定業績成⾧によるROE0向上余地)といった独自の成⾧シナリオを有する銘柄群である。銀行は金利上昇のマイナスインパクトを収益へのポジティブインパクトが吸収してくれる稀有なセクターであり、現在弊社ではバリュー投資におけるコア銘柄と位置付けている。単純な割安感で言えばトヨタ自動車や日本製鉄なども魅力的だが、株価の反転には時間を要すると見られる。銀行を既にホールドしている投資家には先述の銘柄等が選択肢になろう。
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