日本株トピックス|3月期企業の本決算振り返り
2026.06.09 (火)
当記事は毎月、アイザワ証券投資情報サイトに掲載しているSHIODOME 投資環境マンスリーより抜粋しております。
本決算シーズンを通過して日経平均は最高値で推移
4月下旬から5月の決算シーズンを終え、3月期の国内企業の業績が出揃った。今回の本決算発表の論点はAI・半導体関連企業の業績成⾧の持続性と、中東情勢はじめ外部環境の不透明感が企業ガイダンスにもたらす影響の二点に大きく集約される。決算本格化前の日経平均株価は6万円近辺(4/22時点)と非常に期待値が高い中迎えた今本決算シーズンだったが、蓋を開けてみれば月末にかけて日経平均が最高値を更新するなどリスクオン相場継続で一段高となった。本稿では本決算を振り返った上で年央以降のセクター戦略について考えてみたい。
下記の表では日経平均構成銘柄の決算発表日から5月末時点までの日経平均対比の相対株価パフォーマンス上位・下位をまとめている。最注目カテゴリであるAI半導体関連銘柄の中では、フジクラやアドバンテストといったこれまで相場上昇を牽引してきた銘柄のパフォーマンスが優れない。これら銘柄は決算前の市場期待値が非常に高く、特にフジクラで顕著だが保守的なガイダンスに株価が過敏に反応した格好である。そうした中、高い期待を悠々超えていったキオクシア、太陽誘電等の電子材料関連、安川電機等のフィジカルAI関連の好業績が見込まれる銘柄群に物色がシフトした印象がある。AI相場と一言で言っても、短期の銘柄選好は目まぐるしく変化している。
一方でメモリ価格高騰の影響の大きい任天堂やキヤノンのような民生機器メーカーについては、同影響を織り込み市場予想を下回る低調なガイダンスが示されたこともあり低調な株価パフォーマンスとなった。AIディスラプションが構造的なリスクと目されている富士通、NECといったITサービス企業と合わせて、AIネガティブインパクト銘柄は総じて今回の決算は株価反転のカタリストにはならなかった。そのほか、建設・不動産といったセクターが下位に沈む。後者は⾧期金利上昇という決算以外のファクターも多分に影響しているが、原油価格上昇による建築費高騰等のリスクが改めて意識されたと見られる。都市部を中心に大型開発プロジェクトの見直し等も起きており、採算性等には今後注視が必要だろう。とは言え中東リスクに関しては、ナフサ由来の原材料コスト上昇といった直接影響のインパクトが算定可能な部セクターを除いて、⾧期化を前提としない形でやや楽観的にガイダンスに織り込む企業が多かった印象である。この辺りが決算通過後の相場の一段高に寄与したものと弊社では分析している。年央以降の日本株相場についても、引き続きAI半導体関連銘柄の業績拡大期待は強く、相場の牽引役となろう。セクター内の循環物色が進む中ではバリュエーション調整の見られたフジクラ、アドバンテストといった銘柄群についてもいずれ見直しの機会が訪れよう。弊社ではそのほか、今決算は反応に乏しかったものの政策金利引き上げがカタリストの銀行や、停戦期待や保守的なガイダンスを受けて株価調整の続く防衛関連といったカテゴリに引き続き注目している。
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