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個人投資家向け衆院選2026の論点

2026.02.03 (火)

独立型ファイナンシャルプランナー

工藤 崇

個人投資家向け衆院選2026の論点

1月23日に解散が見込まれる衆議院選挙への与党自民党の公約として、時限的な食料品の消費税率ゼロを盛り込む案が浮上しました。もともと総理就任前の高市氏が掲げていた持論とはいえ、昨年の党総裁選において「即効性がないと考えた」としていた姿勢からの大転換です。

消費税減税は恒久的か、限定的かという選挙になるのか

消費税をめぐっては、立憲民主党と公明党がつくる新党である「中道改革連合」が目玉公約として、恒久的な消費減税を盛り込む考えを示しています。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のような政府ファンドをつくり、運用するというのは斬新な方針です。

筆者は特に支持政党があるわけではありませんが、政権を担う与党の立場で消費税減税を訴えるには根拠が必要であるため、このあと自民党がどのような根拠で消費税減税を主張してくるか、に注目です。また少数政党ではありますが、「チームみらい」のように消費税減税には反対、それよりも社会保険料を削減して現役世代の負担を下げるべきと主張している政党にも注目です。

前年2025年度の参議院選挙で「現役世代の社会保険料削減」を掲げた政党は、今回も同じ力強さがより具体化した政策を掲げてくるでしょうか。毎回の選挙に共通しますが、国の課題が多方に積みあがっているからこそ、聞こえのいいポピュリズムには留意する必要があります。

1月16日の読売新聞によると、食料品の消費税率をゼロにすれば年5兆円規模の減収は避けられず、財政への影響は必至です。実際に高市政権の発足後からは円安と国債の長期金利上昇が続いているため、政府・自民党は市場への影響も慎重に見極めて方針を決めるとしています。

個人投資家向け衆院選2026の論点

衆院が解散する1月23日に向けて各党は続々とマニフェストを発表しています。今回の衆院選において、個人投資家が留意すべき「各党の方向性の違い」を分析していきましょう。

「責任ある積極財政」への方針

高市政権の「責任ある積極財政」が看板施策となっていますが、進行する円安は国際社会からの信任を考えると大きな課題です。そもそも食料品の消費税を0%としても、物価上昇が継続していれば数年で効果終了となります。また、消費税税制と変更すると「政権で税制が簡単に変わる国」とみられ、更に円安や長期金利が上昇することは目に見えています。

消費税の話に限らず、与党の方針を修正するマニフェストならば「どうやって変えるのか」「変えることで生じるデメリットの影響はどれくらい考えていて、どうやって手を打つのか」をしっかりと聞いて判断することが大切です。株式投資を主戦場にするとしても、為替が得意だとしても、このあたりは注力して投票に望みましょう。

外交と防衛費の増強

中道改革連合の基本的な外交姿勢は、「存立危機事態における自国防衛のための自衛権行使は有効」としています。従来の立憲民主が(与党だった)公明党の主張に寄り添った形です。中国の台湾侵攻が懸念されるなかで、今回の衆院選では防衛議論があまり前面に出ない可能性が懸念されています。実際に緊急事態が発生してから対応できることには限界があるため、今回も主役級の議論を期待したいテーマです。

仮に中国の習近平国家主席が主張しているような「2027年までの侵攻」が現実化すると考えると、今回の選挙は事態が到来する前の最後の国政選挙となります(再びの解散とならない限り)。事態が起きてから最善の方針を取る、ではなく、国際協力の立ち位置も踏まえたうえでの公約・主張を確認しておきたいものです。個人投資家にとっても防衛銘柄、主に船舶流通における国外との輸出入、旅行や芸能など様々な影響が考えられます。特にアメリカと結びつきを強めている政権与党と異なる主張があるのなら、それが現実的に可能なのかを議論を望みます。

次世代の成長

チームみらいは「子どもたちへの投資と科学技術への投資」を掲げています。人口も増えない、天然資源も無いという国において、科学技術に投資をしてイノベーションを起こしていくことは大切です。2010年代にはFintech(フィンテック)をはじめとした様々な領域で聞こえた「現在のアップデート」が熱量を失い、挑戦自体を軽視する風潮は否定できないと感じます。この閉塞感を政治の力でどのように解決していくか。すぐに目の前の生活が良くなったり、投資した個別銘柄が上昇するということはありませんが、長期間のスパンで見たときにとても大切なテーマです。

「個人投資家が選挙に注目したいポイント」にはまず、自分のポートフォリオがどのような影響を受けるかが気になります。一方でそれが継続するためには、日本社会が倒れないことが大前提です。生活負担が重くガス欠をしないように、どのような施策が進められていくかを考えましょう。そして存在感の強い国家に囲まれている私たちにとって、国際社会との付き合い方も時代とともに変わってきました。今回の選挙を転換点にできるか、注目です。

来たる総選挙の開票日は2026年2月8日。突如到来した「冬の陣」の開始です。

記事提供:DZHフィナンシャルリサーチ「いまから投資」(https://imakara.traders.co.jp/

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ライター

工藤 崇

独立型ファイナンシャルプランナー

工藤 崇

株式会社FP-MYS 代表取締役 1982年北海道生まれ。相続×Fintechサービス「レタプラ」開発・運営。2022年夏より金融教育のプロダクト提供。上場企業の多数の執筆・セミナー講師の実績を有する独立型ファイナンシャルプランナー(FP)。

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