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ザ 語源 第30回 「新NISA」名称の由来

2024.01.15 (月)

アイザワ証券 投資顧問部

飯田 裕康

ザ 語源 第30回 「新NISA」名称の由来

「新NISA」名称の由来

2024年1月から「新NISA(少額投資非課税制度)」がスタートしました。「新NISA」は今までの「NISA」から見直され大幅にグレードアップしました。昨年までの「NISA」より変更された部分を振り返ってみますと以下の通りとなります。

  1. 年間投資枠(成長投資枠・つみたて投資枠合計360万円)の拡大
  2. 生涯投資枠(1,800万円)の設定
  3. 成長投資枠とつみたて投資枠の併用可能化
  4. 制度実施期間の恒久化
  5. 非課税保有期間の無期限化

今回は「NISA」の名称の由来を明らかにした上で「NISA」のモデルとなった英国の「ISA」について説明します。

NISA」は2014年から制度が施行されました。「NISA」の名称は「Nippon Individual Savings Account」の頭文字をとったもので、「少額投資非課税制度」が正式な名称です。「NISA」は英国の「ISAIndividual Savings Account)」を参考に作られました。英国の「ISA(アイサと発音します)」は「個人貯蓄口座」と訳されています。「Individual(インディビジュアル)」が「個人型」、「Savings(セービングズ)」が「貯蓄」、「Account(アカウント)」が「口座」となります。

ここで日本の「NISA」を見ますと「Savings」の部分が「貯蓄」ではなく「投資」になっていることに気付きます。「投資」の英語は「Investment(インベストメント)」ですからこれを当てはめてみると「Nippon Individual Investment Account」となり「NISA(ニーサ)」ではなく「NIIA(ニーア)」となります。

このような名称となった経緯について次のように想像します。まずアルファベット表記について「NIIA(ニーア)」より「NISA(ニーサ)」のほうが親しみやすく通りがいいので英国の「ISA」に「Nippon」を付けた形にしたのではないかと思います。また「貯蓄」ではなく「投資」としたのは日本の家計金融資産に占める預貯金の割合が長きにわたり50%の水準で推移しており(202312月公表の日銀資金循環統計によると家計金融資産2,121兆円、その内預貯金が1,113兆円で割合は52.5%)、「貯蓄」を促すというより「投資」を促進させたい考えがあったのではないかと思います。

さて次に「NISA」のモデルとなった英国の「ISA(個人貯蓄口座)」について説明します。

英国の「ISA」は自国の貯蓄率の向上を目的に制度が始まりました。「ISA」自体は1999年に制度が導入されましたが、「個人持株制度」(1987年開始)と「免税特別貯蓄口座」(1991年開始)が「ISA」の前身として存在していました。英国の非課税貯蓄の制度が30年以上前に導入された背景として自国国民の極めて低い貯蓄意識の改善という目的がありました。

今年から大幅に利便性が増した「新NISA」と本家である英国の「ISA」の比較を表で示しました。

表を見ますと、今回「新NISA」で変更となった非課税保有期間と制度実施期間の恒久化、また年間投資枠や口座種別の複数保有(併用保有)等は非課税貯蓄と投資で先行し、実績がある英国の「ISA」を参考にしたものと考えられます。

日本の「NISA」は制度が開始されまだ10年程度しか経過していませんが英国の「ISA」は四半世紀の歴史があり、前身の制度である「個人持株制度」と「免税特別貯蓄口座」を含めますと30年以上の実績があります。従って英国における「ISA」の普及度と残額は日本の「NISA」と比べますと大きな差がついています。

グラフは「旧NISA」の口座数と累積買付額の推移です。口座数は2,035万口座、累積買付残高は34兆円に及んでいます。ただし累積買付残高は売却した金額を含んでいません。参考として証券会社経由で買付けされた「一般NISA」の累計が2022年末の段階で約20兆円に対し、残高が7.3兆円(出所:日本証券業協会資料)ですので、実際の残額はこれより低い数値が考えられます。

次のグラフは英国「ISA」の残額推移です。この実績は日本「NISA」とは違い残額を表しています。

2022年の残額実績を見ますと7,416億ポンドまで積み上がっています。これは日本円に直すと133兆円となります。また英国の「ISA」口座数は2,222万人(2021年末)に達しています。

日本の成年人口約1500万人に対し英国の成年人口は約5,170万人でほぼ半分と捉えた場合、非課税投資・貯蓄制度における両国のスケールの違いに驚かされます。

今年からスタートした「新NISA」の拡大により日本人の生活がより豊かになるよう期待できると思います。

本記事で解説する内容について、実際の言葉の成り立ちや、一般的とされる説と異なる場合がございます。

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ライター

飯田 裕康

アイザワ証券 投資顧問部

飯田 裕康

1991年アイザワ証券入社。2002年まで支店のリテール営業を務め、2003年からは支店長として関西方面中心に4つの新店舗を開設。2012年の投資リサーチセンター(現市場情報部)センター長、2018年のインターネット取引部門長等を経て、2021年より現在の投資顧問本部長にいたる。

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