
亜州潮流 ベトナム建国80周年を迎えるハノイの風景
2025.09.16 (火)




ベトナム建国80周年を迎えるハノイの風景
2025年9月2日、ベトナムは建国80周年という節目を迎える。今からちょうど80年前の1945年9月2日、ハノイのバーディン広場でホー・チ・ミン主席が独立宣言を読み上げ、ベトナム民主共和国(現在のベトナム社会主義共和国)の建国が世界に向けて宣言された。以来、この日は毎年「独立記念日」として国民にとって重要な日となっている。
この日に向けて、ハノイ市内の通りや建物などあちらこちらに国旗が掲げられ、祝賀ムードが高まりつつある。中でも注目されているのが、9月2日当日の朝に予定されている大規模な記念パレードだ。現地メディアによると、パレードにはおよそ4万人が参加予定で、盛大な演出が計画されている。
その準備の一環として、8 月中旬から複数回にわたるリハーサルも行われており、対象地域では道路封鎖や交通規制も始まっている。ハノイ市民の生活にも一時的に影響が出ていて、会社によっては退社時間を早めたり、在宅勤務に切り替えたりなどの対応を実施している。

【写真】第1 回リハーサル、部隊の登場に沸く観客の様子 筆者撮影

【写真】第1 回リハーサル、部隊行進 筆者撮影
1 回目のリハーサルは平日の夜8 時からだったが、開始前から大音量の音楽が街に響き、道路沿いには1 時間以上前から多くの人々が集まっていた。お祭りのような高揚感の中で始まったリハーサルでは、整然と揃った部隊の行進が圧巻だった。各部隊は、観客の拍手と大歓声に迎えられた。武器や楽器を携えた部隊が次々と登場し、衣装も多彩で見ごたえ十分だった。リハーサルでこれだけ盛り上がるのだから、本番はどれほどの熱気に包まれるのか、今から楽しみでならない。
また、「独立記念日」のパレードを目当てに全国から数万人がハノイに集結し、ハノイ唯一の空港であるノイバイ空港は大混雑が予想されている。ピーク日には、1 日あたり11 万人が利用すると見込まれており、前年の同時期と比べておよそ20%増加する見通しだ。ベトナム国民の関心の高さがうかがえる。建国から80 年。これまでの道のりにはさまざまな出来事があり、多くの人々の努力や工夫が積み重なってきた。そうした歩みを、振り返りながら迎える「独立記念日」。ハノイの街は、いつもより少し特別な空気に包まれている。
「亜州潮流」は、アジア新興国のトレンドを解説したコラムです。投資の推奨を目的としたものではありません。
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