亜州潮流 香港-変わるもの変わらないもの
2026.02.16 (月)
当記事は毎月、アイザワ証券投資情報サイトに掲載しているアイザワ・グローバルマンスリーより抜粋しております。
香港-変わるもの変わらないもの
1月初旬、出張で1泊だけ香港を訪れた。筆者は20年以上前に3年ほど香港に住んでいたから、愛着のある街だ。直近で訪れたのはコロナ前の2018年の秋だったので、今回の訪問は7年ぶりとなる。エアポートエクスプレスで市内に向かうと高層マンション群が目に飛び込んでくる。見覚えのあるマンション群もあるが、新たに目にするマンションも多い。60~70階建ては当たり前で、どれも日本のタワマンよりも高く圧倒される。
スターフェリーと香港島のビル群
街を散策して気づいたのは、以前よりも北京語があちこちで聞こえたことだ。香港人同士の会話は基本的に広東語だが、電車の中や食堂でも聞こえてくるのは、北京語の方が多い気がした。20年前は香港で北京語を話すのは本土からの観光客が中心だったが、観光客に加え本土からの移民も増えたのだろう。本土からの移民は1997年の中国返還後に増加したが、2020年に国家安全維持法が施行されると香港から海外への移民も増加した。これによって人手不足が深刻化し、労働力の確保が急務になっているのだという。また政府は高度人材の誘致も図っており、世界トップクラスの大学を卒業した高学歴・高収入層の人材も積極的に受け入れているようだ。
食堂のメニュー。インフレで定期的に価格改定が行われているようだ。
また物価は恐ろしく上昇していた。20年前は350ml の缶ビールが5香港ドル(以下、ドル)前後、当時のレートで80円程度だったのが15ドル前後だ。町中の食堂の雲吞麺は10ドル程度だったのが25~30ドル、タクシー初乗りは15ドルから27 ドル(市内)、スターフェリーの乗船料も2ドルから5 ドルに上昇していた。さらに日本人旅行者は円安のダブルパンチを受ける。20年前は住居費を除けば生活コストは安い街というイメージだったが、今は何もかも高い街という感じだ。
建設現場では相変わらず竹の足場が使われていた。
もちろん、以前と変わっていないものもあった。街中には「街市」と呼ばれる市場があり、食材や衣類など生活用品が手に入る。魚介類の生け簀や肉が塊で売られる光景は、以前筆者が住んでいたベトナムと変わらない。街市の中にはフードコートがあり、値段は街中の食堂より割安だった。また建設中のビルの足場には相変わらず竹が使われていた。竹の足場は香港で最悪となった昨年のマンション火災の原因ともされ、何らかの規制が入ると思われるが、実際にはまだ使われていた。また100年以上の歴史のある2 階建てトラムも元気に走っており、中国の影響を色濃く受けつつも2000年代当時と同じ光景が広がりうれしくなった。
文中の写真はすべて筆者撮影。
「亜州潮流」は、アジア新興国のトレンドを解説したコラムです。投資の推奨を目的としたものではありません。
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