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【経営者向け簡単解説シリーズ】 TOKYO PRO Marketを簡単解説!

2021.09.06 (月)

アイザワ証券 ソリューション部

豊福 哲矢

【経営者向け簡単解説シリーズ】 TOKYO PRO Marketを簡単解説!

東証が運営するもう一つの株式市場 TOKYO PRO Market

昨今、東証マザーズ等の一般市場への上場に加えて、東証が運営するもう一つの株式市場であるTOKYO PRO Marketへ上場する会社が増えています。東証マザーズ等の一般市場への上場は、株主数や利益等に関する上場基準に適合する必要があるほか、準備しなければならない書類が多く、上場までにより多くの時間・コストを要します。

そこで、「より自由度の高い“上場基準”と“開示制度”」での上場ができるように設計された株式市場がTOKYO PRO Market(以下、「TPM」)です。TPMに上場する企業は年々右肩上がりで増加しており、上場会社数は49社(2021年8月末現在)まで拡大しています。今回は、そんな上場企業の裾野を大きく広げた株式市場であるTPMについてご紹介したいと思います!

TOKYO PRO Marketの特徴

プロ投資家向け市場:まず始めに大きな特徴として、TPMでは買付けができる投資家を「プロ投資家」に限定しています。東証マザーズ等の一般市場に参加する投資家は、一般の個人でもどなたでも参加して株式を売買することが可能です。しかし、TPMでは、上場している株式の買付けは、「プロ投資家」しか買えません(売付けは制限されません)。プロの投資家というのは、基本的には企業が想定されており、具体的には機関投資家・国・日本銀行・上場企業・資本金5億円以上の株式会社などが該当します。また、個人の場合で買付けができるのは、3億円以上の金融資産をもち、1年以上の株式取引経験があることが条件です。

プロ投資家向け市場ならではの上場基準と開示制度:TPMでは投資家をプロ投資家に限定することにより、東証マザーズ等の一般市場よりも上場基準や開示ルールをゆるやかに設定しています。一般市場に参加する個人投資家の中には、投資に不慣れな方もいるため、上場会社に厳格な上場基準や開示ルールを定めることによって、個人投資家を保護するように配慮されています。しかし、それでは、上場できる会社に限りがあります。そこで、上場基準や開示ルールを緩やかにする代わりに投資家をプロ投資家に限定したのがTPM市場です。

上場基準のうち形式基準がないため、一般市場と比較して上場のハードルは下がりますが、実質基準において、取引所に上場するのに相応しい会社であることが求められており、審査主体であるJ-Adviserが、「運転資本の十分性」や「代表取締役の資質」「内部管理体制」「法令順守の体制」等をチェックします。

そのため、TPMに上場している企業も“優良企業”として上場ブランドの効果がいかんなく発揮されることがTPM上場へのメリットと言われています。

公式のアドバイザー制度:一般市場に上場する場合は、主幹事証券会社が上場支援の助言・指導を行い、証券審査を経た上でさらに取引所が審査を行います。一方で、TPMでは東証から認められたJ-Adviserが、助言・指導を行うのですが、さらにJ-Adviserが東証から審査業務を受託し行います。J-Adviserが、助言・指導、審査までを一気通貫で行うため、一般市場に上場するよりもはるかに短い期間での上場を実現させることが可能となっています。このJ-Adviser制度は、TPM特有の制度で、中小企業の上場を加速させているのです。

まとめ

今回は、昨今活用が広がっているTOKYO PRO Marketについてご紹介させていただきました。新規上場(IPO)は経営者の方なら一度は必ず考えるものです。しかしながら、一般市場への上場には、コストや手間暇、時間がかかるだけでなく、様々な面で上場企業として認められるためのハードルがあります。

それらを緩和させながら、上場を可能とするのが、TPMの大きな魅力です。とはいえ、TPMへの上場にデメリットがないかというと決してそういうわけではありません。「何のために上場を目指すのか」その目的を考えた上で上場を検討する必要があります。次回は、それらを踏まえて、TPM上場へのメリット・デメリットについて解説していきたいと思います。

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ライター

豊福 哲矢

アイザワ証券 ソリューション部

豊福 哲矢

2015年に日本アジア証券株式会社(現アイザワ証券株式会社)に入社後、営業経験を経て、公開引受部門に異動。上場準備支援業務等に従事し、アイザワ証券株式会社との合併後は、IPO、M&A、ストックオプション等といった企業の事業戦略サポートに取り組む。

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