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ザ 語源 第25回 語源から考える「ギャンブル」の本質

2023.08.07 (月)

アイザワ証券 ファイナンシャルアドバイザリー本部

飯田 裕康

ザ 語源 第25回 語源から考える「ギャンブル」の本質

語源から考える「ギャンブル」の本質

宝くじで高額当選を手にする――誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

「ギャンブル」はいつの時代もまたどの地域でも人々を魅了し続けてきました。一方で時の為政者・権力者は常に「ギャンブル」を違法の行為として厳しく規制してきました。今回は「ギャンブル」の語源や由来を明らかにすることにより、その本質にせまります。

「ギャンブル(英語ではギャンブリング:gambling)」は「お金を賭けて勝負するゲーム」と定義できると思います。日本語では「賭博」または「博打」が該当します。「ギャンブル」の語源は「ゲーム(game)」に英語で反復を意味する「le」がプラスされたものが有力とされています。「ギャンブル」と同じ反復「le」の例として他に「ティンクル(twinkle):キラキラ輝く」、「スパークル(sparkle):火花が飛び散る・きらめく」などがあります。

さらに「ゲーム(game)」は複数の人が集まって行うので「集まる人」が語源です。おそらく「ギャンブル」は一回では終わらず繰り返すことが常態化し、「ゲーム」に「反復」という要素が加わってこの言葉に至ったのではないかと想像します。勝てば次の勝負に臨みたくなり、負ければもっと止められなくなるのが「ギャンブル」の本質であると言えると思います。

次に「賭博」と「博打」の語源を説明します。「賭博」は「賭事(とじ)」と「博戯」という言葉の「賭」と「博」を合わせたものが発祥と考えられています。「賭事」と「博戯」はともに「ギャンブル」ですが、「賭事」は参加者がゲームの勝敗に参加もしくは関与できないものを表し、「博戯」はゲームの勝敗に参加者自体が関与するものであり、前者「賭事」の例として「競馬」「競輪」「野球賭博」など、後者「博戯」の例としてお金を賭ける「麻雀」や「ゴルフ」などがあげられます。

「賭博」と「博打」はほとんど同じ意味ですが、「博打」はサイコロや花札を使う「賭博」の一種という面と、僅かなチャンスに一発勝負を賭ける時としても使います。「大博打を打つ」などがその例です。

「ギャンブル」の世界には様々な専門用語があります。以下に「ギャンブル」に関連する用語の簡単な解説と諸説ある内の語源の一部を掲載します。

「ギャンブル」の起源は「占い」であると考えられています。それではなぜ「占い」が「ギャンブル」につながっていったのでしょうか?そのカギは「射幸心(しゃこうしん)」という言葉に隠されていると筆者は見ています。

「射幸心を煽る(あおる)」という言葉で使われるのを目にします。「射幸心」とは努力をしないで運を天に任せ幸運を得たい欲の心です。「人事を尽くして天命を待つ(最大限の努力を行い、その結果を甘んじて受け止めること)」という訓戒と対極にある言葉と考えます。「射幸心」の語源は弓矢という飛び道具を使って手っ取り早く幸せを射る心です。

太古の昔より人々は自分自身の運命や新しい事を始める際などに幸運を願い「占い」を多用してきました。幸運が巡って欲しいという人間の「希望」が、労せずしてお金が欲しいという際限無き「欲望」に変わった時に「占い」が「ギャンブル」に派生したのではないかと推測します。

安易に幸運を得ようするのではなく、自分が叶えたい、実現したい「希望」や「目標」にしっかり照準を定め努力を継続することが幸運を掴む要諦なのです。

※本記事で解説する内容について、実際の言葉の成り立ちや、一般的とされる説と異なる場合がございます。

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ライター

飯田 裕康

アイザワ証券 ファイナンシャルアドバイザリー本部

飯田 裕康

1991年アイザワ証券入社。2002年まで支店のリテール営業を務め、2003年からは支店長として関西方面中心に4つの新店舗を開設。2012年の投資リサーチセンター(現市場情報部)センター長、2018年のインターネット取引部門長、2021年の投資顧問本部長等を経て、現在は西日本ファイナンシャルアドバイザリーを担当。

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