
亜州潮流 ベトナムのテト(旧正月)
2025.02.25 (火)




ベトナムのテト(旧正月)
ベトナムで最大のイベントと言えばテト(旧正月)ではないだろうか。ベトナムではテトが正月 なので、新暦の年末年始は 1月
1日が 休日 になるだけでお祝いムードはない。 筆者が 住んでいた
ハノイでは、 12月 31日は繁華街 に 若者や観光客が集まってカ
ウントダウンイベントなどが 行われる 。

[写真:テトの飾り物を売る商店]
ベトナムに住んでいて少しラッキーと感じたのは、年末年始ムードが長く続くことである。ハノイでは、12月に入るとショッピングモールやオフィスビルにクリスマスツリーが飾られ、大通りでは街路樹がライトアップされたりイルミネーションのオブジェが飾られたりする。これは日本でも同様だが、日本の場合は年明けとともにイルミネーションは終わり年末年始ムードも薄れていく。ベトナムの場合は、年によって変わるが1月下旬から2月上旬にテトがあるので、テトが終わってしばらくの間も年末年始ムードが続く。つまり12月から年によっては2月中旬まで、街はライトアップやイルミネーションが飾られ、お祝いムードが続くのである。
テトが近づくと、人々はテトの準備で忙しくなる。多くの企
業では取引先にカレンダーなどを持って挨拶回りに行くのは日
本も同様だが、ベトナムでは政府の監督官庁に贈答品(高級ウ
イスキー など )を持って挨拶回りに行くのが社 会主義国らしい
ところだ。筆者も証券会社の監督官庁や関係機関 に、毎年テト
前には手土産を持って挨拶周りに行ったものだ。当局の担当者
に贈答品を渡して挨拶するというのは、日本では考えられない
ビジネス 慣習だろう。

[写真:桃の木を買い求める人々]
中国の春節に国民が大移動するように、ベトナムでもテトに大移動がある。ベトナム人は家族や親戚関係を重視するので、故郷に帰り実家で親族が集まってテトを過ごすのが通常であるようだ。
海外に住むベトナム人もテトを故郷で過ごす人が多いようで、この時 期の空港は帰省客と出迎えの家族でごった返す。近年はテトの長期休暇を使って国内外に旅行に行くという過ごし方も増えている。国内ならフーコック島などのリゾート地が人気である。テトの元旦から 3日間ほどはレストランやスーパーマーケットなども休業になることが多いため、外国人は本国に帰ったりベトナム国外へ旅行に行ったりすることが多いようだ。テトに欠かせないのは桃の木(または枝)である。街では歩道上などに大小さまざまな大きさの桃の木や枝が販売のため陳列される。また商店街や路上ではテト用の飾り物が販売される。オフィスビルやマ ンションの入り口に巨大な桃の木が置かれるのを見ると、今年もテトがやってきたなと感じるのである。
※写真は全てアイザワ証券撮影
※「亜州潮流」は、アジア新興国のトレンドを解説したコラムです。投資の推奨を目的としたものではありません。
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