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亜州潮流 化粧品業界の韓流・華流ブームに注目

2024.05.20 (月)

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亜州潮流 化粧品業界の韓流・華流ブームに注目

化粧品業界の韓流・華流ブームに注目

ファッションや食べ物、音楽、旅行、娯楽などの“トレンド”というのは日々変化していき、テレビ番組や雑誌、SNSでも話題になるなど我々の生活にも大きく影響している。こうした”トレンド”の中でより変化を感じるものとして、メイクアップ・スキンケアなどの化粧品が挙げられる。近年、セルフケアや身だしなみの関心が世界中で急速に高まっており、世界の化粧品市場規模は2024年が3937.5億ドル、2032年までに7580.5億ドルに成⾧する見通しだ。そうした中、専門店やドラッグストア、雑貨店などで販売している化粧品を見ると、『韓国コスメ』や『中国コスメ』といった海外製品のラインナップが非常に充実している。世界の化粧品売上高ランキングでも、日本を代表する花王(東証:4452)や資生堂(東証:4911)に次いでLG生活健康(韓国:051900)、アモーレパシフィック(韓国:090430)やPROYACOSMETICS(中国:603605)が上位にランクインしている(右下図参照)。韓国・中国コスメは、なぜ人気なのだろうか。

その理由は二つ挙げられる。まず一つ目は美容成分を多く含んだ商品が充実し、中低価格で購入できる点だ。例えばツボクサエキスと呼ばれる植物由来の成分(CICA成分)は、肌荒れや保湿などに特化し、スキンケア・メイク共にこの成分を含んだ商品が多数登場している。またデパートコスメ商品(デパコス)に含まれる美容成分が配合されている商品が、1,000円~3,000円以内で購入できる。日本では、研究開発費や広告宣伝費、人件費、高価な美容成分の配合で原価が上がり、販売価格が高めに設定されている。一方韓国・中国では、実店舗を持たず通販のみで取り扱うことで店舗維持費や人件費を削減、さらにSNS等のインターネット広告のみに絞って広告宣伝費を抑えている。また原料の一括大量購入により商品単価を下げることで中低価格を実現している。二つ目は製品ライフサイクルの速さだ。韓国・中国は委託者の代わりに製造などをおこなうOEMメーカーが多く、少額の資金さえあれば、コスメブランドを立ち上げられる環境が整っているため、比較的新規参入がしやすい。そのため、競争率も激しくなり、より高品質で斬新なコスメが次々と誕生する仕組みだ。コロナ禍を経て大流行した⾧時間色落ちしない「リップティント」やデパコスでも定番化した「クッションファンデ」などが代表的だ。ネットの普及により誰でも様々な情報が取得可能となった今、各企業は次々と新商品を発表し、消費者をきさせない工夫が必要不可欠である。

Z世代と呼ばれる若い世代のニーズに併せて化粧品業界では新たな市場が開拓されている。近年では「メンズコスメ」の関心が高まり、新規参入に注力している企業も世界で増えている。多様性が重視される現代で、韓国と中国コスメの今後に注目したい。

※「亜州潮流」はアジア新興国のトレンドを解説したコラムです。投資の推奨を目的としたものではありません。

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