ゼロから学べるアイザワ投資大学

会員登録(無料)

記事検索

初心者向け

景気を左右するデフレ・インフレって?

2021.10.04 (月)

アイザワ証券 CRM部

梅木 可南子

景気を左右するデフレ・インフレって?

デフレ・インフレって?

投資を始める前に自身周りの把握も必要ですが、世の中の現状を知っておくことも重要です。今回の講義で学ぶのは「デフレ」と「インフレ」。ニュースや新聞で目にするワードですが、これがどういったことを指しているのか皆さんはご存知ですか?

このワードは”物の価値(物価)”に関わる言葉で、世の中の現状を把握する上でも重要なヒントとなります。デフレ、インフレは市場の動き、企業の業績に影響を及ぼす現象といわれています。そのため、皆さんが景気や企業の業績によって変動する株式の価格(株価)を予測する材料にもなり得るのです。ではそれぞれどのような意味を持つのか、「消費者側」と「企業側」の2つの観点より考えてみましょう!

デフレ(価値:モノ<お金)

デフレとは「デフレーション」の略称で、日用品などのモノやサービスの価値(値段)が継続的に下落していく(物価が下落する)現象を指します。モノの価値が下がるということは、対価として支払う貨幣(お金)の価値は上がります。

まずは消費者目線で考えてみましょう。

例えば、いつもは1Lの水を100円で買っているが、その日は90円で買えたとします。成分もサイズも種類も全く同じなのに100円から90円になったということは水の価値が下がり、逆に1円で買える水の量は増えたので、お金の価値は上がったことになりますね。

景気を左右するデフレ・インフレって?の図

これだけ聞くと「安くモノが買えてお買い得」と感じるかもしれません。これは「消費者側」の思考なので、今度はモノを売る「企業側」から考えてみてください。

物価を下げるということは、モノを販売する企業の収益がその分減るということです。先ほどの水を100個売ったとき、以前は売上が1万円だったのに、物価が下がったことで売上は9,000円になってしまいます。数が売れれば売れるほど、本当は得られるはずであった利益との差額が大きくなります。これにより以下のような循環が生じます。

景気を左右するデフレ・インフレって?の図
景気を左右するデフレ・インフレって?の図

モノを売るために価格を下げますが、単なる値下げでは赤字になるので、人件費や業務備品などのコストを削減します。その影響で給与が減り、人々が消費(購買)を抑えようとするわけです。減給は人々の消費を抑え、そうなると企業は更にモノが売れず、更に値下げ、コスト削減という悪循環に陥ります。お金の動きが少なく、経済がまわっていないこの状況がデフレーションです。

インフレ(価値:モノ>お金)

景気を左右するデフレ・インフレって?の図

これだと今度は「高いからモノが売れなくなるのではないか」と考えるかもしれません。ですがこの状況が持続的である場合、「更に値上がりする前に買っておこう」という購買意欲に繋がる可能性があります。高いと感じていたものでも「消費税が来月上がる」と聞いて、「上がる前に買っておこう」と考えたことはありませんか?この意欲がインフレのカギとなっており、デフレとは逆の好循環を引き起こします。

景気を左右するデフレ・インフレって?の図
景気を左右するデフレ・インフレって?の図

しかしインフレは必ずしも良いというわけではありません。重要なのが過度なインフレ(ハイパーインフレ)にならないということです。

過度なインフレが生じると物価が著しく上昇し、お金の価値は著しく下がります。給与が増加したとしてもこの変化に耐え切れず、ちょっとしたものを買うにも大きなお金が必要となってしまい、生活が困窮することとなります。

インフレに備えるために投資はうってつけ

ここまでデフレ、インフレが引き起こす循環について説明してきました。ですがここで大切なのは「インフレに備える」ということです。先ほど話したように、インフレが起きた場合、お金の価値は下がります。現金はインフレに弱い資産なため、預けておいた預貯金もインフレ時には価値が下がってしまいます。100万円預けていても実質価値は50万円になっている、なんてこともあり得るのです。

そんな時が日本に来る可能性もあります。ではどうすればいいのか?それがまた投資に繋がってくるというわけです。現金がインフレに弱い資産であるのに対して、株式や投資信託等の金融商品はインフレに強い資産といわれています。

インフレの循環では商品やサービスは売れ、企業の利益は上がるとされています。そうなれば給与も上がるでしょう。しかしもらえるお金が増えたとしても、その分買うものの単価が高くなっていることで出ていくお金は大きくなるので、結局はお金が増えたことにはなりません。しかし株式は違います。株価には企業の業績が反映します。利益が上がれば、企業の業績は良くなるのが一般的です。業績がいい企業については今後の期待も上がり、株価に反映、投資した人の資産価値(株式の価値)も上がるというわけです。当然、売上だけが業績に関わるわけではないので、必ずしも株価が上昇するとは限りません。しっかりと企業を分析し、見定める必要があります。このように、投資はお金の価値を守るための一つの手段となっているわけです。

さて、今回は「デフレ」「インフレ」について解説してきました。その影響を受ける金融商品として文中にも出てきた「株式」や「投資信託」ですが、みなさんはこれがどういったものかご存じですか?名前は聞いたことがあってもどんなものなのか、違いは何かと問われたら答えられない、なんて人も少なくないはずです。次回はそんな代表的な金融商品「株式」「債券」「投資信託」の違いについて解説をしていきます。金融商品について学んだ上で、もう一度この講義を読んでみると更に理解が深まるのではないでしょうか。

ご留意事項

金融商品等の取引に関するリスクおよび留意点等

お客様にご負担いただく手数料について

免責事項
本資料は証券投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終決定は、お客様ご自身による判断でお決めください。本資料は企業取材等に基づき作成していますが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。結論は作成時点での執筆者による予測・判断の集約であり、その後の状況変化に応じて予告なく変更することがあります。このレポートの権利は弊社に帰属しており、いかなる目的であれ、無断で複製または転送等を行わないようにお願いいたします。

ライター

梅木 可南子

アイザワ証券 CRM部

梅木 可南子

2019年にアイザワ証券に入社後、水戸支店に配属。営業を行う傍ら、地元の教育機関との連携、金融授業に注力する。その後経営企画部、マーケティング部の兼任を経て、現在はマーケティング専任に。教育機関連携での取組やノウハウを生かしつつ、社内外の広報やメディア業に取り組む。2024年にマーケティング部はCRM部マーケティング課に組織変更。

合わせて読みたい

アイザワ証券公式SNSアカウント