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投資信託とETFの違いとは?向いている方の特徴も解説

2024.11.20 (水)

アイザワ証券

アイザワ投資大学 編集チーム

投資信託とETFの違いとは?向いている方の特徴も解説

投資信託とETFは、どちらもプロのファンドマネージャーが運用する点が共通しており、投資初心者でも始めやすいとされる金融商品です。しかし、取引方法など異なる点もあるため、投資を始める前によく理解した上で、自分の投資方針に合ったほうを選ぶ必要があります。
今回は、投資信託とETFのどちらに投資したら良いかお悩みの方向けに、それぞれの違いや向いている方の特徴を解説します。

そもそも投資信託やETFとは?

まずは投資信託とETFがそれぞれどのような金融商品か、特徴や概要を解説します。

投資信託とは

投資信託とは、投資家から集めたお金をまとめ、株式や債券のほか、さまざまな資産に分散させて運用する金融商品のことです。ファンドとも呼ばれます。
投資信託において、資金の運用を手がけるのは投資・運用の専門家であるファンドマネージャーです。運用によって得られた利益は分配金(インカムゲイン)や譲渡益(キャピタルゲイン)として投資家に還元されます。

なお、投資信託には、インデックス型とアクティブ型の2つがあります。インデックス型は、日経平均株価をはじめとする株価指数(インデックス)からベンチマークになる指数を設定して、それと同じ値動きをすることを目指して運用される投資信託です。一方、アクティブ型はベンチマークにした株価指数よりも大きなリターンを得るために、銘柄選択などを独自に組み合わせる投資信託です。

ETFとは

ETF(Exchange Traded Funds)とは、証券取引所に上場している一部の投資信託のことで、日本語では上場投資信託とも呼びます。ETFは投資信託の一種に分類されますが、上場しているので株式のように直接証券市場で売買ができます。
ETFも投資信託であるため、運用を行うのはプロのファンドマネージャーです。投資家から集めたお金は、投資信託同様にさまざまな資産に分散投資され、投資家は成果に応じた利益が還元されます。

投資信託とETFの大きな違い

投資信託もETFも、投資家から集めたお金を金融機関のプロ(ファンドマネージャー)が運用してくれる商品であることは共通しています。

しかし、投資信託とETFには、下記のようにさまざまな違いがあります。

参照:一般社団法人投資信託協会の統計データ
※2024年8月末時点

それぞれの項目について、詳しく解説します。

違い1|銘柄数

投資信託の銘柄数は5,899銘柄ありますが、ETFの銘柄数は313銘柄にとどまります(2024年8月末時点)。ETFは投資信託と比較して、かなり限られた数となっています。
投資信託は銘柄数が多いです。種類が豊富な分、ジャンルやテーマ等自分の投資方針に合った銘柄を選べる一方、銘柄の比較や絞り込みに難しさが感じられるかもしれません。
ETFは投資信託に比べると銘柄が少なく、インデックス型の場合は目標となる指数が存在するため、比較や絞り込みがしやすくなります。

違い2|購入できる場所

投資信託とETFでは、価格の決まり方が異なります。
投資信託は1日1回、投資信託が組み入れている株式や債券などの時価評価額をもとに算出される「基準価額」で取引されます。ただし、基準価額が公表されるのは、投資家が購入や売却の手続きを行った翌日以降です。そのため、実際に購入される用価格を知ることはできない状態で取引手続きを行う、ブラインド方式による取引となります。
一方、ETFは市場取引のため、株式のように価格の変動を見ながらリアルタイムでの取引が可能です。また、取引時には価格を指定する指値注文や売買価格を指定せず時価で取引を成立させる成行注文を行えます。

違い4|購入時手数料・信託報酬

購入時にかかる手数料や信託報酬も、投資信託とETFでは異なります。
近年では手数料無料の「ノーロード」と呼ばれる投資信託が増えていますが、投資信託には購入時や売却時に手数料がかかるものもあり、銘柄ごとに手数料が異なります。一方、ETFは売買時に証券会社が定める売買手数料が必要です。
信託報酬は、一般的にETFのほうが低く設定されていることが多くなっています。信託報酬は投資信託の手数料のひとつで、投資信託の運用や管理に対して支払うものです。投資信託の財産の中から差し引かれるため、別途支払う必要は生じません。

違い5|最低購入金額

投資信託の最低購入金額は、銘柄や購入場所によって異なります。投資信託の基準価額にかかわらず、銘柄によっては金額指定での購入も可能なため、おおむね1,000円程度から購入や積立が可能です。
ETFの最低購入金額は、取引価格と売買単位で決まります。売買単位は銘柄によって1口~1,000口となっているため、商品により1万円~10万円程度は必要になることが多いでしょう。

違い6|特別分配金の有無

投資信託もETFも、基本的に運用で得られた利益は「分配金」として支払われる仕組みがあります。分配金の有無や金額は、投資信託やETFの分配方針および決算の結果で決まります。
ただし、分配金には、普通分配金と特別分配金(元本払戻金)の2種類があります。

・普通分配金:運用益から支払われる分配金
・特別分配金(元本払戻金):元本を切り崩して支払われる分配金

投資信託では分配後の基準価額が個別元本を下回る場合、下回った部分が特別分配金として支払われ、その分個別元本が減額されます。
一方、ETFでは特別分配金がなく、利益分の分配としての普通分配金のみが支払われる仕組みです。

違い7|分配金の自動再投資

分配金には「受取型」と「再投資型」があります。「受取型」はその名の通り、分配金をそのまま口座に現金で受け取る方式です。一方「再投資型」は分配金を同銘柄の購入にまわします。投資信託には得られた分配金を自動的に再投資する仕組みがありますが、ETFにはありません。分配金を自動再投資できれば、利益をもとにさらなる利益を生み出す複利効果が得られます。
ETFの分配金を再投資したい場合には、手動で新たにETFを買い付けるしかありません。証券会社によっては一部の商品について再投資サービスを提供していますが、非常に限られた範囲となります。

【投資信託とETF】どちらで運用するか決めるには?

投資信託とETFには、それぞれメリット・デメリットがあります。どちらに投資するかお悩みの方は、下記のポイントを参考に選んでみると良いでしょう。

投資信託が向いている人

投資信託が向いている人は、下記の通りです。

・投資初心者や投資経験が浅い人
・少額から積立投資を始めたい人

投資信託は投資の経験が浅い方や初心者の方、少額から積立投資を考えている方におすすめです。積立投資やNISA、iDeCoなどの税制優遇に対応する銘柄も豊富で、長期的な資産形成を目指したい方にも向いています。

ETFが向いている人

ETFが向いている人は、下記の通りです。

・相場動向に合わせて取引をしたい人
・低コストで投資をしたい人
・投資先の幅を広げたい人

ETFは相場を見ながら取引可能で、一般的な投資信託よりも低コストです。リアルタイムで取引をしたい方や、すでにNISAやiDeCoを利用していて、投資先の幅を広げてみたい方はETFを検討してみると良いでしょう。

まとめ

投資信託とETFは共通する部分も多くありますが、価格の決まり方や取引方法、取引にかかる費用など、多くの違いがあります。
どちらを選ぶべきか迷う場合は、それぞれの特徴を考慮して判断することをおすすめします。
一般的には、投資経験が浅い方には投資信託、投資の幅を広げたい方にはETFが向いているとされています。自身の資産運用の目的に基づいて選択するようにしましょう。

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