日本株トピックス|7月相場振り返り
2026.08.10 (月)
当記事は毎月、アイザワ証券投資情報サイトに掲載しているSHIODOME 投資環境マンスリーより抜粋しております。
AI・半導体関連銘柄の調整が進み、短期の物色動向には大きな地殻変動が見られる
下表は日経平均構成銘柄の7 月月間騰落率上位(およびその1-6 月の6 ヵ月間騰落率を併記)である。下落率上位には、キオクシアをはじめ上半期の力強い相場上昇を牽引したAI・半導体関連銘柄がズラリと名を連ねている。しかし、7 月に入ってAI・半導体関連銘柄に対する様々なネガティブニュースが囁かれるようになった。中でも大きいのは、巨額のデータセンター設備投資主体である米ハイパースケーラーのキャッシュフローに対する懸念である。AI 投資が巨額の設備投資に見合う成果をもたらすものなのか、7 月は改めてそのリスクが意識される局面であったと言えよう。
[表:ファクトセット、アイザワ証券作成。※7月は月間。1-6月は6ヵ月間累計]
一方で上昇率上位にはSHIFT や日本電気(NEC)をはじめとするIT サービス企業や、オリエンタルランドのようなエンタメ関連企業、日本たばこ産業(JT)等の好業績バリュー株がランクインした。これら銘柄群は、AI の普及に伴うディスラプション懸念やメモリ価格上昇といった負の影響を受けるAIショート銘柄と位置付けられ、AI 相場における典型的な負け組銘柄であった。AI・半導体関連銘柄のポジション調整が進む中で、一部資金がこうした銘柄に流入したものと考えられる。このように7 月に入ってからは、物色動向に大きく変調が見られる。
AI・半導体銘柄群は、アドバンテストや東京エレクトロンといった値がさ株中心に日経平均寄与度が大きいことから、日経平均のPERは一時20倍程度、NT倍率は6月末時点で17.5倍まで拡大するなど、上半期は日経平均とそれを牽引する一部のAI・半導体関連銘柄に偏重した上昇相場であったと言えよう。では、これら銘柄の腰折れをもって上昇相場が終焉に向かっていると見るべきだろうか。そう判断を下すには時期尚早であると弊社では考えている。3ページで示したように日経平均の乖離率が大きく上昇する局面では、短期の調整を挟むのが株式相場の常であり、ある意味健全な状態であると言える。一方で、AIの社会実装はまだ入口に差し掛かった段階であり、今後の市場拡大余地を鑑みれば引き続き中⾧期の本命セクターであるとの見方に変化は生じていない。弊社では、短期的には広範な銘柄への循環物色を通じて値固めしながら、年末・来年に向けて再度上昇に転じるとの従来スタンスを継続する。
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