遺言書の種類とは?3つの方式と選び方
2026.09.11 (金)
監修:あいわ税理士法人
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遺言書は、死亡後の財産承継などについて、本人の意思を法的に残せる書面です。有効な遺言書がある場合、対象となる財産は原則としてその内容に従って承継されます。方式の要件を満たさない遺言は無効となるため、作成方法と保管方法の確認が必要です。
※2026年6月24日公布の改正法では、新たに「保管証書遺言」を設けることが予定されています。関連規定は公布日から3年以内に、政令で定める日に施行されます。
遺言とは?遺言書でできること
- 相続人ごとの取得財産や取得割合を指定する
- 相続人以外の個人や団体に財産を遺贈する
- 遺言執行者を指定する
遺言書がない場合、相続人全員による遺産分割協議で財産の分け方を決めるのが一般的です。有効な遺言書がある場合は、遺言の対象となる財産について、原則として遺産分割協議を行わずに手続きを進めることができます。ただし、遺言の内容が遺留分を侵害する場合、遺留分を有する相続人から遺留分侵害額請求を受けることがあります。
※遺留分:兄弟姉妹以外の法定相続人に最低限保証された遺産取得分
普通方式の遺言は3種類
現行法上、普通方式の遺言には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。
- 自筆証書遺言
本人が作成します。法務局の保管制度を利用した場合は、紛失や改ざんを防止でき、家庭裁判所の検認も不要です。 - 公正証書遺言
公証人が作成し、原本を公証役場で保管します。家庭裁判所の検認は不要です。 - 秘密証書遺言
内容を公証人や証人に開示せず、遺言書を作成した事実を公証人に確認してもらう方式。家庭裁判所の検認が必要です。
いずれの方式も、法定の要件を満たしていれば有効であり、方式そのものによって法的効力に優劣はありません。ただし、作成手続、保管方法、検認の要否が異なります。複数の有効な遺言書があり、内容が抵触する場合は、抵触する部分について後に作成された遺言が優先されます。抵触しない部分は、前の遺言も引き続き有効です。
検認とは?自筆証書遺言の注意点
Q:自宅で封印された遺言書を見つけた場合、すぐに開封してもよいですか。
A:いいえ。封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人等の立会いの下に開封します。検認は、相続人に遺言の存在と内容を知らせ、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名などを確認して、偽造や変造を防止するための手続きです。遺言の有効・無効を判断する手続きではありません。なお前表の通り、法務局で保管されている自筆証書遺言と公正証書遺言については検認が不要です。
遺言書の作成を検討する主なケース
遺言書の作成は法律上の義務ではありません。財産の分け方を指定する必要がある場合や、相続人以外に財産を渡す場合などに利用されます。主な例は次のとおりです。
- 子がいない夫婦で、配偶者に財産を多く残したい場合
- 再婚家庭など、相続人の関係が複雑な場合
- 不動産など、分けにくい財産が中心の場合
- 事業や家業を特定の相続人に承継させたい場合
- 内縁の配偶者、知人、団体など、相続人以外に財産を渡したい場合
相続人以外に財産を渡す場合は、遺言書に遺贈の内容を記載します。配偶者、子、直系尊属には遺留分がありますが、兄弟姉妹には遺留分がありません。
遺言書作成の検討手順
遺言書作成の際は、方式だけでなく、財産の特定、記載内容の明確さ、相続開始後に実行できる内容かどうかを確認します。
- 財産状況等を確認する
- 誰に、何を、どの程度渡すかを決め、遺留分や税務上の影響を確認する
- 遺言の方式と保管方法を選ぶ
- 作成後家族関係や財産内容に変化があった場合は、遺言書を見直す
まとめ:遺言書は目的に応じて方式を選ぶ
3つの方式は、主に作成手続、保管方法、検認の要否が異なります。
- 自筆証書遺言:本人が作成し、必要に応じて法務局の保管制度を利用する場合
- 公正証書遺言:公証人による作成と原本保管を利用し、検認を不要としたい場合
- 秘密証書遺言:内容を公証人や証人に開示せず、遺言書を作成した事実を確認してもらう場合
内容が複雑な場合や、遺留分、相続税、不動産登記などの確認が必要な場合は、相談内容に応じて弁護士、公証役場、税理士、司法書士などに確認しましょう。手数料や手続は変更される場合もあるため、利用時点の公的情報も確認してください。
参考情報(※外部サイトへ移動します)
- e-Gov法令検索「民法」
- 法務省「自筆証書遺言書保管制度について」
- 裁判所「遺言書の検認」
- 日本公証人連合会「2 遺言」
- 日本公証人連合会「12 手数料」
- 法務省「民法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第45号)
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