
特別授業 山口県立防府高等学校
2025.02.04 (火)




2025年1月15、16日に山口県立防府高等学校の衛生看護科3年生に向けて金融授業を実施しました。防府高等学校では、生徒の金融リテラシー向上を目的に社会科や家庭科の授業の中で、アイザワ証券の社員が直接授業を担当させていただき、金融業界で働く人の生の声を伝え、より金融について身近に感じ、これからの人生に役立ててもらいたいという気持ちで毎年実施しています。
今年は、1月に配属されたばかりの1年目社員と防府高等学校出身の社員が授業を行いました。
1日目

1日目は山口支店の1年目社員が講師を務めました。本社の研修にて幅広く業務を経験し、実際に支店でもその経験を発揮できる体制を整えてきたつもりでしたが、金融授業となるとその経験が乏しく、不安な気持ちを持ちつつ当日を迎えました。しかし、自己紹介から生徒の皆さんがとてもあたたかく迎えてくださり、緊張は心地よい緊張に変わり、しっかりと講師として気持ちを切り替えることができました。
授業では「なぜ資産形成が必要なのか」という問いかけからスタートしました。資産形成が必要である理由を生徒自身で考えてもらうことで、金融知識をより自分に身近なこととして感じてもらえると思うからです。その考えを通して、資産をふやすためだけでなく、自分の資産を守るために資産形成が必要であることも知ってもらいました。特に物価が上昇すると相対的にお金の価値が下がってしまい、お金を置いておくだけでは買える物が減ってしまう話には、思い当たる節があるのか、授業中何度も生徒たちが頷く場面が見受けられました。
他にも、これまで人が担っていた仕事が徐々にAIに置き換わっていくことで、これまでの仕事や得られる所得が少なくなってしまう可能性があります。社会の変化に備えるためにも資産運用によって給料以外の収入源を持つことが大事であると説明すると、コンビニのレジや身近な生活環境の変化から共感するものがある様子で時折頷きながら、不労所得の必要性に気づいていた様子でした。
授業日頃にはニュースなどでも円安という言葉を耳にすることが多く、その話題に絡めて、日本円の価値は外国通貨(外貨)との関係性によって増減することについても解説し、実際に日本円を外貨に換算してもらい価値の変動を実感してもらいました。少し難しい問題かもしれないと思っていましたが多くの生徒が正解でした。
もちろん、資産形成にはリスクがつきものです。資産形成を行う上でのリスクとの付き合い方について、「長期・分散・積立」が大事であること、また3つの方法がどのようにしてリスクを抑えるのか、具体的な例を出しながら説明しました。
また複利の力を実感してもらうため、金融庁が提供するつみたてシミュレーターを使い、同額の積立額でも期間が長くなると利益が増えることを視覚的に体験してもらいました。生徒にとってこれからの長い人生の中で、時間を味方にして自分の資産を守っていくこと、ふやしていくことの基本を学ぶ授業となりました
授業の最後には金融商品を選ぶ際に3つの規準である「収益性・安全性・流動性」があること、3つの基準をすべて備えた商品を見つけた場合、詐欺ではないか疑う必要があること、1つの金融商品で全条件を満たすことはできないので各金融商品の特徴を理解し、必要に応じて投資する金融商品を使い分け、上手にリスクをコントロールしてほしいことを伝えました。
2日目

2日目は周南支店の1年目社員が講師を務めました。今年1月に周南支店に配属されてすぐ、初の金融授業を実施、金融教育に携わることも仕事の一つです。支店に配属されてすぐに任された仕事が高校生に向けた金融授業ということで、講師を務めると聞いた時は驚きましたが本番に向けてしっかりと生徒に要点を伝えられるように、一つ一つポイントとなることを確認しながら、話し方や伝え方に関して十分な打ち合わせを行い本番に備えました。
緊張の極限に達しながらも到着した防府高等学校では、担当の先生方や生徒が優しく迎えてくださり、時折笑い声も響き、雰囲気よくスタートとなりました。
2日目では経済における株式の役割と昨年に変更されたNISA制度について解説しました。株式といわれても生徒にとって決して身近なものではないため、身近に感じてもらえるように、「企業がサービスを提供するうえで必要なものは何か」というクイズ形式で考えてもらいました。クイズの回答を通してそこにお金が必要不可欠であること、お金の調達方法の一つとして「株式」があることを説明しました。
今回の受講生の皆さんが修学旅行で東京ディズニーランドに行っていたこともあり、東京ディズニーランドを例にあげて考えてもらったことで難しい株式を少しだけ身近に感じてもらえた様子でした。クイズを通して、株式を保有することや株式投資をすることは、発行している会社を応援することになること、保有することで利益の一部(配当金)を受けることができることなど、株式の役割から株式投資とその売買におけるメリットを解説しました。近い目線である1年目社員が生徒に直接伝えることで、より身近なものとして株式を学んでいただけたのではないかと思います。
後半では2024年に変更されたNISA制度についてお話しました。NISA制度は2024年から恒久化されたため、これからの人生における生活スキルともいわれています。そのようなことから、制度の特徴、概要について詳しくお伝えいたしました。
NISAの制度上、利用年の1月1日時点で18歳以上であれば口座を開設できることもあり、まもなくNISAを活用することができる高校3年生の生徒は興味深く話を聞いていた様子でした。
授業の最後には、卒業生の講師から後輩の皆さんへということで、「お金の知識を深めてこれからの人生の選択肢を増やしてほしいこと、そうすることで自分の夢や目標がより実現可能なものになること」をエールとして送りました。授業終了後、先生方からも実際に仕事で金融に関わる人の授業は生の声であり、生徒にとってためになる話だったと講評いただきました。これからも各地で金融授業を展開していきたいと改めて思いました。
実際に授業を担当してみて、今回の授業が参加した生徒にとって今後の金融リテラシーを向上させるきっかけになればよいと思いました。アイザワ証券でこの経験をするまでは、高校生向けのセミナーに参加したことはありませんでしたが、実際に経験し改めて何かを伝えることの難しさなどを実感しました。
金融知識は高校の家庭科の授業や社会科の授業の中でより一層深く学ぶように授業内容が変化し、金融教育の重要性が高まっています。しかし、金融の知識は幅が広く、高校生にとっては自分のこととして考えることが難しい内容でもあることから、関心の度合いもそれぞれ異なります。講師である私たち自身は理解できている内容でも、それを誰かに伝えるということは難しいです。相手に合わせた分かりやすい説明をこれからもっと工夫して、講師力、説明力も高め、地域の金融リテラシーも高めていきたいと思います。
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