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資産形成

“ゼロ”から始める資産形成の心得 「ひとつの投資」から「いろいろな投資」へ

2022.07.11 (月)

アイザワ証券 投資顧問部

榮 隆朗

“ゼロ”から始める資産形成の心得 「ひとつの投資」から「いろいろな投資」へ

前回は、積み立てにおいて有効な「ドル・コスト平均法」のご紹介と、日経平均株価を用いたシミュレーションを行いました。今回は、他の指数を用いたシミュレーションを行いたいと思います。

色々な指数を用いたシミュレーション

今回は3つの指数を使用したいと思います。米国市場の代表的な指数である「ダウ工業平均」、アジアの中でも成長が著しいベトナムの「VN指数」、また株式と異なる指数として、東京証券取引所に上場しているREITを用いて算出される「東証REIT指数」を用いてシミュレーションを行います。

毎月100ドルずつ、30年間積み立てたらどのような結果になっていたかをシミュレーションしました。前回の日経平均と合わせるため、期間は1990年~2019年としました。

世界最大のマーケットを誇る米国は、30年間で指数が10倍以上の成長を遂げました。前回の日経平均と比べても概ね右肩上がりの推移のため、この場合に限っては一括投資の方が運用成果は大きいですが、積立投資でも大きな成果をもたらすことができています。

毎月2,000,000ドンずつ、20年間積み立てたらどのような結果になっていたかをシミュレーションしました。ベトナムドンは日本円に比べて桁数が大きいため、計算を間違えないように注意しましょう。

ベトナム・ホーチミン市場は20007月からスタートしているので市場としては若く、規模や流動性(取引の活発さ)も日本や米国と比べて不十分ですが、それでも着実に成長しています。値動きが激しい分、高い時に少なく、安い時に多く買付ができるドル・コスト平均法は優れた効果を発揮することができます。

東証REIT指数は国内不動産の代表的な指数として定着していますが、登場したのが20034月と比較的若い指数であるため期間は18年間とし、毎月10,000円ずつ積み立てたらどのような結果になっていたかのシミュレーションを行いました。

株式とは異なる値動きをするためリスク分散の手段として有効なのと、足元日本でもインフレの兆候が見えていることから、不動産投資の妙味もありそうです。

※シミュレーションにおいて投資に係る費用、税金等を考慮していません。

※上記グラフ、表中のシミュレーション数値は、将来の運用成果等を保証・示唆するものではありません。

この先も米国株が一番良いのか?

前述の3つのシミュレーションと、前回示した日経平均の合計4つのシミュレーションを見比べても、米国株が圧倒的なパフォーマンスを見せていることがわかります。それであれば、「これからの資産形成は米国株式投資の一択だ!」と思う方もいらっしゃるでしょう。

しかし、この先も1番の成果を見せるのが本当に米国だと言い切れるのでしょうか?

ここで、日米市場の比較をした次の2つのチャートをご覧ください。

30年という長い期間で見ると、日本株に比べて米国株のパフォーマンスが圧倒しています。しかし、10年の期間で見ると、実は日本株が米国株を上回っています

米国が世界の大国でありながら引き続き成長していくという考え方もありますが、一方で出遅れていた日本や他の国の方が伸びるんじゃないか?という考え方もあります。あるいはこれまで株式の調子が良かった分、これからは債券や不動産にバトンが回ってくるという考え方もあります。どの考えが正しいか、未来のことを断定することはできません。

迷いを断ち切るために分散を

相場を読むのは簡単なことではありません。しかしどれが良いのか決めきれないから様子を見てしまうのというのは勿体ない話です。

それであれば、一番手っ取り早いのはどっちも選んでしまうということです。

資産形成はギャンブルではありません。将来のために必要な資産を運用する以上、特定の局面で資産が大きく変動するような状況をなるべく避けるのがベターです。リスクを軽減するのに有効なのは、分散をすることに尽きるのです。日本株と米国株だけではなく新興国株に分散する方法もありますし、株式だけでなく債券や不動産など複数の資産を組み入れるのも有効でしょう。また、そのような複合資産に投資する投資信託(バランスファンド)も存在します。

繰り返しにはなりますが、目先の市況で左右されやすい状態を避け、安定的・長期的な資産形成をしていくことを心掛けましょう。

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ライター

榮 隆朗

アイザワ証券 投資顧問部

榮 隆朗

2017年アイザワ証券入社。相模原支店、名古屋コンサルティングプラザでリテール営業を経験したのち、2021年より投資顧問部へ異動。ラップサービスに関わる業務に携わる傍ら、将来のファンドマネージャーとなるべく自身でも猛勉強中。

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