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ベトナム現地情報2023年1月号より マーケット概況 プレイバック・12 月のベトナム市場
2023.01.18 (水)
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![ベトナム現地情報2023年1月号より マーケット概況 プレイバック・12 月のベトナム市場](/cms-assets/682b124ca58ddec417c3b99fedaafbd1d98243b3.png)
プレイバック・12 月のベトナム市場
じりじり下げる展開
![12月のVN指数の推移](/cms-assets/96d3fa340ab86b4dd23793fa1200342ad041e706.png)
12月のベトナム市場は、利益確定によって下げる展開となり、業種別では不動産の下げが目立ちました。売買動向を確認すると、12月は国内の個人投資家が2か月連続で売り越し、その一方で外国人投資家は先月に続いて買い越しとなりました。ホーチミン市場の1日当たりの平均売買代金は、前月比22%増の14兆2,526億ドンと持ち直しました。
2022年の振り返り
![年間のVN指数の推移](/cms-assets/421a9ed51ab42998c7188358bdf7872f991261d7.png)
![セクター別の年間騰落率](/cms-assets/6d7705b0d4b45c24d0c0ec26195fb68597b950ae.png)
次にベトナム市場の1年間を振り返ってみましょう。 VN指数は年初に上場来最高値である1,528ポイントをつけ、幸先の良いスタートを切りました。しかしその後は不動産企業による不祥事が相次ぎ、軟調な動きが続いています。
ホーチミン市場の1日当たりの売買代金が40兆ドンを上回る場面もありましたが、閑散期には10兆ドンを割り込む場面も見られました。
また新規上場銘柄数も2022年は全体で54銘柄(ハノイ・ホーチミン市場:16銘柄、 UPCoM市場:36銘柄、ETF:2銘柄)と、昨年の79銘柄から大きく減少しました。直近では大手不動産企業「ノバランド」の傘下である「ノバ・コンシューマー」の上場審査が中止となるなど、上場銘柄数の減少は投資の勢いに影響を与えていると思われます。
しかし、投資家の裾野はこの1年で大きく広がっており、国内の個人投資家の口座数は約450万から670万へと大きく増加しました。
外国人投資家は下落局面で買い
![代表的な海外ベトナム株ETFの資金流出入額と 外国人投資家のベトナム市場での買い越し・売り越し額](/cms-assets/1c78d953e4d7f8bfaf4a8e683ca13664c109aa29.png)
注目すべきは、下落局面での外国人投資家による買いです。特に海外ETFを通じたベトナム株投資は目覚ましく、例えば2021年4月から取引されている台湾の「Fubon FTSE Vietnam ETF」は当初、受益者が1万人ほどでしたが、昨年の2022年10月に12万人を超え、同年11月末には4回目の追加募集を行いました。
1~3月は上昇傾向のアノマリー
2023年、年初の動きはどうなるでしょうか。過去のアノマリーを見てみましょう。
VN指数は年明けの1~3月に上昇しやすい傾向にあることが過去のデータから分かります。
![2012-2022年までのVN指数の月平均騰落率と騰落数](/cms-assets/a0074c8ee9c03a46f5bb1a1cea5f907f18015112.png)
上昇傾向の理由の一つに、ベトナムの正月「テト(旧正月)」が挙げられます。テトは1月後半にあり、企業は正月の前に賞与を支給します。テト前は消費活動が盛んになり、株式市場にも投資資金が流入し、上昇に寄与すると考えられています。
![正月飾りを求め、人々で混みあうハノイのハンマー通り](/cms-assets/86481ca5ae29ec34afce100c323fa85a1a362314.png)
ちょっと深掘り☞ データで振り返る2022年のベトナム経済
2022年、ベトナム経済は新型コロナから回復しました。今回はベトナム国家統計局のマクロ経済データを基に、この1年を振り返っていきたいと思います。
![鉱工業生産指数](/cms-assets/e537a53fc17c53b02eb1965ca290eefb9a90fecf.png)
鉱工業生産はアフターコロナで回復が続いていましたが、足元は欧米市場の景気減速を受けて伸び悩みました。特に携帯電話、鉄鋼の生産が不調となりました。
![訪越外国人数](/cms-assets/312f259de0b52524820d8186ad7495fc2a81fc6f.png)
2022年通年の訪越外国人数は366万1,200人と前年比で23.3倍となりました。中国のコロナ規制緩和、アフターコロナで回復が続いていることから、さらなる訪越外国人数の増加が期待されています。
![小売売上高](/cms-assets/7f05bc5037bf3868c06ae2501cee12e918fe498c.png)
小売売上高は宿泊・飲食業、観光業の消費がコロナ禍の反動から大きく増加しました。足元は伸びに落ち着きが見られますが、テト前の消費需要の増加が期待されています。
![消費者物価指数](/cms-assets/595a68c148a7e6514549e7343e3506307dbb501c.png)
消費者物価指数(CPI)の12月の上昇率は2年9か月ぶりに4.5%を超えました。しかし通年の上昇率は3.15%と、政府目標である4.0%以下に抑えた結果となりました。
![コア・インフレ率](/cms-assets/6666a4d2660f748fa1a6731cb044ea076e6f11ca.png)
コア・インフレ率(価格変動が大きい食品や燃料などを除いた物価上昇率)は前年同月比で4.99%となりました。物価上昇に歯止めはかかっておらず、引き続き注目されます。
ウィズコロナによる堅調な経済回復が見られた1年でした。
![ハノイ市のショッピングモール内の様子](/cms-assets/0714434fb81a4a3927285c6cb83bf6909a8b36f5.png)
ちょっと深掘り☞ ベトナムの小売業界
![小売売上高(1990~2022年)](/cms-assets/20bf062fe445c90efa9e9dfbdff43fde1a0dc60e.png)
小売業はベトナム経済の原動力に変わりつつあります。小売売上高は新型コロナで落ち込む場面も見られましたが、 2022年は最終的に前年を上回る結果となりました。
人口の増加は消費活動を支える大きな柱となっています。ベトナム国家統計局が発表したベトナムの2022年末の人口はおよそ9,950万人で、大台の1億人まで残り約50万人に迫っています。
![大手薬局チェーンの店舗数](/cms-assets/127dafc7a4311b8a2f1629acdb2c4830ea2d0251.png)
![国内のスーパーマーケット、ショッピングモールの店舗数](/cms-assets/3f44132179d0f8eb6f1397fed82bfed52d47e250.png)
さらに所得の増加によって消費者の求める水準は高まっており、昔ながらの個人商店や伝統的な市場を横目に近代的な小売店が増加しています。スーパーマーケット、薬局チェーン、家電量販店はその典型的な例です。
自動販売機の増加も小売りの近代化を象徴する動きの一つです。ベトナムでは路上で露天商が物を売っている光景をよく目にします。例えば、ハノイ市では消費者に品質、価格透明性の高い商品を提供するために、露天商に代わる自動販売機の設置を公共の場所に増やしていく計画を進めています。決済方法も多様で、現金はもちろんのこと、モバイル決済にも対応しています。
![近代的な小売店が増加中(新、旧)](/cms-assets/ccf6ae8aca85a8331161a7f813797c60eb5211bb.png)
eコマースも盛んになっており、ベトナム電子商取引白書によると、 2022年の国内市場規模は前年比20%増の164億ドルに達すると予想されています。
マーケットデータ
![マーケットデータ](/cms-assets/873eeeb6dd9a4c4e6796c91211a68ab088bd2326.png)
![12月の業種別騰落率](/cms-assets/c5535a080cd357f7cc9bfee20e0d67e2e6ca67d3.png)
ご留意事項
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