
今月のたけぞう氏ピックアップテーマ 「防災庁」設置構想から見る防災関連銘柄
2025.01.24 (金)




巳年の2025年、1949年以降の日経平均株価の年間騰落率を十二支で調べてみると巳年の平均上昇率は13.4%で6番目に位置し、丁度真ん中辺りとなっています。
私が経験した過去3回の巳年を振り返ってみるとこんな感じでした。
巳年で振り返る株式市場
1989年は1月に昭和天皇が崩御し、昭和から新元号「平成」がスタートした歴史的な年でした。日経平均株価は大納会の終値3万8915円を付け当時の史上最高値を更新しました。ちなみに私は前年の1988年に証券会社に入社したので、当時はまだまだ新人でした。毎日手書きで日経平均を大きい方眼紙に書き写したりと、本当の意味での下積み時代でした。
2001年は前年のITバブル崩壊後の下げに拍車が掛かった年であり、9月にはアメリカ同時多発テロで全面安となる場面もありました。世界的な景気低迷の影響などを受けて日経平均株価は年間で約23%の大幅下落となりました。
2013年は前年暮れに行われた総選挙での自民党政権復帰を受けて、アベノミクス、日銀の異次元緩和がスタートした年となりました。日経平均株価の年間騰落率は56.7%高、41年ぶりとなる上昇率を記録しました。
こうして見てみると過去の巳年ボラティリティの激しい相場展開だったことが分かります。今年はどのような相場となるのでしょうか。
「防災庁」設置構想から見る防災関連銘柄
さて今回は、防災関連について書いてみようと思います。
昨年12月、石破総理大臣は経済界や教育界、地方団体などの代表者が参加する防災立国推進閣僚会議で「防災庁」の設置を目指す政府の方針を説明しました。今後想定される南海トラフ地震や首都直下型地震などの大規模災害に備え、危機管理の体制を強化する考えを示しました。
内閣府の防災関連予算は2025年度に、事前防災を重視して約146億円を計上しました。2024年度の当初予算からほぼ倍増です。定員も現在の110人から220人まで増やし、現状の2倍にするとしています。以下、関連企業をピックアップしてみました。
防災関連銘柄
ウェザーニューズ(4825)
民間気象情報で世界トップです。無料アプリも充実していますが、有料会員向け機能は「お天気アラーム」が有名です。ユーザーの現在地と連動して「雨雲」「警報」「落雷」「台風」「ゲリラ豪雨」「熱中症」などのアラート通知をリアルタイムで受け取れます。特に雨雲の接近を知らせる「雨雲アラーム」は、急な雨が降ると困る外出時や通勤時などに役立ちます。現在地だけでなく指定した地点の通知も設定でき、自宅や実家などを登録しておけば、天候が急変する前にスマホなどに通知されます。
2024年12月27日に公表した2025年5月期第2四半期累計(6-11月)の決算は、売上高は前年同期比4.1%増の116億900万円、営業利益は同32.8%増の16億7600万円と好調を維持しています。
日本ヒューム(5262)
上下水道などに使われるヒューム管や合成鋼管、組み立てマンホールなど、数多くの製品を製造しています。国土交通省から、水災害対策を進める企業として「流域治水オフィシャルサポーター」の認定を受けています。
地域治水とは、気候変動に伴い頻発・激甚化する水害・土砂災害等に対し、防災・減災を目指し、堤防整備、ダム建設、都市部の内水氾濫などの対策を、あらゆる関係者で水災害対策を推進します。
2024年11月に公表した2025年3月期第2四半期累計(4-9月)の決算では、経常利益は前年同期比約2.2倍の24.9億円に急拡大しました。増配や株主優待も拡充しています。
いであ(9768)
環境コンサルと建設コンサルが主体の企業です。携帯へ気象情報も配信しています。防災・減災関連など、GIS(地理情報システム)を活用して、氾濫予測システムや浸水予測システムなどの防災・減災支援に関する情報を地図表示し、視覚化できるシステム開発を支援しています。社会インフラ整備のDX推進に向けて、道路施設の整備計画や施設点検結果を地図上に表示するシステム開発なども支援しています。同社も「流域治水オフィシャルサポーター」の1社です。
2024年12月ブルーイノベーション(5597)と戦略的業務提携を行いました。ドローンやロボティクス技術を活用した新たなソリューションの開発・提供を進め、公共インフラ維持管理の効率化や災害時対応力の向上を目指す、としています。
能美防災(6744)
国内最大手の総合防災システム・設備メーカーです。火災報知設備、消火設備の製造開発、施工のほか、トンネル、船舶、プラント向け防災設備などを手掛けています。
2024年11月に公表した、2025年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比約2.15倍の37.9億円に急拡大しました。第2四半期の受注高は4期連続で過去最高を記録し、初めて800億円超を計上しました。また、高水準の受注残高を背景に売上高も過去最高を記録しました。
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