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【NVIDIA】なぜ世界一に?AI時代の王者は今からでも投資すべきか解説!

2025.09.23 (火)

独立系ファイナンシャルプランナー

藤崎 竜也

【NVIDIA】なぜ世界一に?AI時代の王者は今からでも投資すべきか解説!

「最近、ニュースで『NVIDIA(エヌビディア)』の名前をよく聞くな…」
「AIで株価がすごいことになっているらしいけど、一体どんな会社なの?」
「今から投資しても、もう遅いんじゃないかな…?」

ChatGPTをはじめとする生成AIのブームが世界を席巻する中、その中心に位置するのが半導体メーカーのNVIDIAです。株価は驚異的な上昇を続け、時価総額で世界トップクラスに躍り出るなど、今や世界で最も注目される企業の一つとなりました。
ただ、「今さら聞けないけど、NVIDIAって何がそんなにすごいの?」「この熱狂はバブルじゃないの?」と疑問を持っている個人投資家の方も多いはず。

この記事では、NVIDIAの強さの秘密から、驚異的な業績、そして投資対象として考える上での注意点やリスクまで分かりやすく解説します。AI時代の主力メーカーとどう向き合っていくべきか、一緒に考えてみましょう。

そもそもNVIDIAってどんな会社? ~ゲーム用チップからAIの王者へ~

まず、NVIDIAがどんな会社なのか、基本的なところからおさらいしましょう。

NVIDIAはもともと、パソコンで高画質な3Dゲームなどを滑らかに表示するための半導体、「GPU」の開発で有名になった会社です。GPUは、その名の通り「画像処理」を専門とする半導体です。
パソコンの頭脳である「CPU」と比較すると、その特徴がよく分かります。

・CPU: 複雑な問題を一つ一つ順番に解いていくのが得意
・GPU: 大量の単純な計算を大勢で一斉に手分けして解くのが得意

AIが賢くなるためには、インターネット上の膨大な画像や文章データを同時に学習する必要があります。この大量のデータを同時並行で処理する作業が、GPUと抜群に相性が良かったんです。
そこへChatGPTの登場をきっかけにAIブームが到来。世界中の企業がAI開発のためにNVIDIAのGPUを奪い合うように求めるようになり、需要が爆発しました。

なぜNVIDIAは独り勝ちできるのか?

AI向け半導体市場でNVIDIAが独走を続けるのは、単にGPUの性能が高いだけじゃありません。その鍵を握るのが「CUDA(クーダ)」というNVIDIA独自のソフトウェア基盤です。
CUDAは、AI開発者がGPUを効率的に動かすためのプログラミングツールのようなもの。世界中のAI開発者は、長年にわたってCUDAを使って開発を進めてきました。そして、CUDAは基本的にNVIDIAのGPUでしか動きません。
開発者が他社のGPUに乗り換えようとすると、これまでCUDAで書いてきたプログラムを全て書き直す必要があり、莫大なコストと手間がかかってしまいます。

つまりNVIDIAは、高性能なハードウェア(GPU)とソフトウェア(CUDA)を一体化させることで、独自の経済圏を築き上げているわけです。さらに、最新のAI半導体「Blackwell」や、その次世代として発表された「Rubin」アーキテクチャで、競合との性能差をさらに広げようとしています。

【将来性】NVIDIAの成長はどこまで続く?

NVIDIAの成長は、AIデータセンター向け半導体だけにとどまりません。その技術は、さらに未来的な分野へと広がりを見せています。

・ロボティクス
工場や物流倉庫で活躍する自律型ロボットの頭脳として、NVIDIAの技術が活用されています。

・自動運転
テスラをはじめとする多くの自動車メーカーが、自動運転システムの開発にNVIDIAのプラットフォームを採用しています。

・産業用デジタルツイン
現実世界の工場や都市を、そっくりそのまま仮想空間上に再現し、シミュレーションを行う「デジタルツイン」という技術でも、NVIDIAのGPUが中核を担っています。

AppleやGoogle、ディズニーといった世界のトップ企業とも協業を進めており、その技術の応用範囲は様々な産業に広がっています。AIが社会のインフラとなる未来において、NVIDIAが果たす役割はますます大きくなっていくでしょう。

【株価と業績】驚異的な成長を見せた近年

2023年以降、売上高・利益ともに爆発的に増加し、製造業としては異例の高水準を記録しています。2026年1月期の純利益は、市場予想で1000億ドル(約15兆円)を超えるとも言われており、その成長ペースはとどまるところを知りません。

AIブームの本格化以降、株価は急激に上昇し、時価総額はAppleやMicrosoftと肩を並べる世界トップ企業となりました。

参照:Traging View

利益の成長も著しいため、株価を1株あたりの利益で割ったPER(株価収益率)は、株価が大きく上昇した後でも40倍程度と、極端なバブルとまでは言えない水準で推移しています。

配当については、現在は株主還元よりも成長投資を優先しているため、利回りは非常に低い水準です。

個人投資家が知っておくべきリスク

個人投資家としてNVIDIAに投資を検討するなら、以下の点は必ず頭に入れておきましょう。

過剰な期待と反動のリスク
現在の株価は、将来のAI市場の爆発的な成長を織り込んでいます。
もし、Microsoftなどの巨大IT企業によるAIへの投資が思うようにビジネスに結びつかず、投資ペースが鈍化するようなことがあれば、過剰な期待が剥落し、株価が大きく下落する可能性があります

地政学・経済安全保障のリスク
半導体は、米中対立の中心にある戦略物資です。
米国政府による中国への高性能半導体の輸出規制は、NVIDIAの売上に影響を与えています。
また、各国がNVIDIA一強の状況を警戒し、NVIDIA依存を減らそうとする動きが出てくる可能性も否定できません

まとめ:個人投資家はNVIDIAとどう向き合うべきか?

NVIDIAが、AI時代の中心に位置する非常に魅力的な成長企業であることは間違いありません。その技術的優位性と、AIの社会実装が進む中での将来性は、計り知れないものがあります。

ただし、株価は将来の大きな期待を織り込んで高値圏にあり、巨大IT企業の投資動向による外部環境のリスクにも大きく左右されるという側面も持っています。

個人投資家としてNVIDIAと向き合うには、短期的な株価の変動に一喜一憂するのではなく、長期的な視点を持つことが何よりも重要です。

・AIトレンドとNVIDIAが持つ技術力を信じられるか
・株価が大きく下落する局面があっても慌てずに保有し続けられるか
・資産全体の中でどの程度をNVIDIAのような成長株に振り分けるのが適切か

これらの点を考慮し、ご自身の投資スタイルとリスク許容度を十分に考慮することが大切です。

NVIDIAは、大きなリターンが期待できる可能性がある一方で、相応のリスクも伴う銘柄です。ポートフォリオの核とするのではなく、成長を期待する一部として、分散投資を心がけながら付き合っていくのが賢明かもしれません。

記事提供:DZHフィナンシャルリサーチ「いまから投資」(https://imakara.traders.co.jp/

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ライター

藤崎 竜也

独立系ファイナンシャルプランナー

藤崎 竜也

「独立系ファイナンシャルプランナーとして執筆業を中心に活動中。2019年から教育資金や老後資金を蓄えるために投資を始める。実体験をもとに、専門用語をわかりやすく解説するのが得意。2級ファイナンシャル・プランニング技能士資格を取得し、現在は金融ジャンル(資産運用・投資・不動産・保険)をメインに執筆している。

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