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ドルコスト平均法とは?運用に用いる利点とポイントを解説

2025.01.08 (水)

アイザワ証券

アイザワ投資大学 編集チーム

ドルコスト平均法とは?運用に用いる利点とポイントを解説

資産運用の投資手法のひとつとしてドルコスト平均法があります。これから資産運用を始める方のなかには、ドルコスト平均法が気になっている方もいるでしょう。今回はドルコスト平均法について、利点や注意点などを解説します。

ドルコスト平均法とは

株式や投資信託などの金融商品の価格には変動があります。変動するからこそ利益を得られる一方で、資産運用では金融商品の価格変動によるリスクをいかに抑制できるかが重要になります。

ドルコスト平均法は、定期的に一定金額を投資することで平均購入単価を平準化し、価格変動リスクを軽減する投資手法です。投資するタイミングなどは考慮せず、機械的に継続して資金を投じていきます。

例えば、毎月10日に3万円分の投資信託を買い付けるという具合です。決まったタイミングで一定金額ずつ投資し続けることで、投資対象の金融商品が安いときには多く買い、高いときには少なく買うことになります。長期間継続することで、投資のタイミングが自然と分散されていき、価格変動リスクを抑えることが可能です。

ドルコスト平均法で投資する利点

ドルコスト平均法で投資するとどのような利点があるのか、詳しくみていきましょう。

投資を始める時期に悩まされない

投資は売買するタイミングが非常に重要なため、開始時期を迷ってなかなか始められない方も多いでしょう。

ドルコスト平均法では投資をするタイミングが定期的かつ分散されるため、一括で金融商品を買う場合と比べて開始時期を過度に意識する必要がありません。
一括投資の場合、買付タイミングを見計らい一度にすべての資金を投入することになるため、高値で購入した場合大きな損失を出すリスクもあります。買付タイミングを見極めるには、市場動向を把握する専門知識も求められます。

ドルコスト平均法を活用する場合、市場動向を把握し買付タイミングを見極めるよりも、長期投資するに値する投資先を選び、できる限り早く、そして長く投資することの方が重要なため、投資初心者でも始めやすい手法といえます。

高値づかみのリスクを軽減できる

高値づかみとは、これから価格が上昇すると見込んで金融商品を買ったところ、相場が高い時に買ってしまい、その後予想に反して下落してしまい含み損になってしまうことです。
長期投資なら短期的な含み損はそれほど心配する必要はありません。しかし、大半の方は、評価損益にマイナスの数字が表示されているのを見ると、どうしても不安に感じてしまいます。

ドルコスト平均法なら、少しずつ時期を分散して金融商品を買うため、購入単価が平準化され、高値づかみで含み損を抱えてしまうリスクを軽減できます。

一喜一憂せず投資を続けやすい

ドルコスト平均法で投資する際には、最初の段階で購入のタイミングや1回で購入する金額などを決めておきます。手動で毎回注文するのではなく、証券会社で提供されているサービスを利用するのが一般的です。証券会社によっては購入タイミングが決められていることもありますが、あらかじめ設定しておくと、自動的に買付けが行われます。

そのため、タイミングを見計らって手動で注文を入れて買う場合と比べて、細かな値動きを気にせずに済むのがメリットです。

少額から投資を始められる

投資や資産運用と聞くと、まとまった金額の自己資金がないとできないものだと捉えている方も多いかもしれません。しかし、ドルコスト平均法を活用した定期買付であれば、まとまった金額の自己資金は必要ありません。少額の資金で商品購入のタイミングを分散することができるため、少額からでも無理なく始められます。
そのため、家計の状況に応じて少しずつ投資できるのがメリットです。これまで貯蓄に回していた分の一部を投資に回したいと考えている人にも向いています。

ドルコスト平均法で投資するときに押さえておきたいこと

ドルコスト平均法はメリットが大きいものの万能ではありません。ここでは、ドルコスト平均法で投資を始める際に、注意すべき点を紹介します。

相場の動向によって損失が出ることがある

ドルコスト平均法は利益が出やすい投資手法ではあるものの、必ず利益が出るわけではありません。

S&P500やNASDAQ100など相場全体の値動きを示す株価指数は、長期的にみると右肩上がりで上昇しています。これまで大きな金融ショックや景気後退などがあって下落局面に入っても、数年で持ち直して再び上昇し最高値を更新し続けてきました。

ドルコスト平均法は、このような長期的な上昇傾向を前提としています。そのため仮に今後株価が右肩下がりに下落していき、上昇する兆しがない場合には、損失が出てしまう点に注意しましょう。
また、個別株や投資対象を絞ったテーマ型投信の場合には注意が必要です。相場全体が上昇傾向でも、一部の銘柄やセクターは下落傾向で上昇に転じる見込みが少ない場合もあり得ます。投資対象の見極めが重要です。

短期的な投資に向いていない

ドルコスト平均法は長期投資で手堅く利益を出せるようにする投資手法です。短期間の売買で利益を出したいと考えている方にはあまり向いていません。
1回で投資する金額が少ない場合、短期間では利益を出せたとしてもごく僅かなものにとどまるでしょう。

また、短期的には含み損になることも想定した上で行う必要があります。短期的な値動きや評価損益を気にしすぎる方にもあまり向きません。

ドルコスト平均法を活用するなら投資信託がおすすめ

ドルコスト平均法で投資するなら投資信託がおすすめです。投資信託は複数の株式で構成されており、投資信託を1種類買うだけで複数の株式などに分散投資できます。
リスクを分散することを目的としているドルコスト平均法と相性が良いのも特徴です。投資時期を分散できるのに加えて、投資対象も分散されるため、さらにリスクを抑えられます。
構成銘柄のうち一部の銘柄の業績が悪化してしまっても、全体への影響は限定的です。投資信託によっては定期的に構成銘柄の入れ替えも行われているため、有望な銘柄が新たに組み入れられることもあります。

ドルコスト平均法で資産運用を始めてみたい方は、まずは投資信託を検討してみてください。

まとめ

ドルコスト平均法は、定期的に一定額の金融商品を買う投資手法です。平均取得単価が平準化されるため、リスクを抑えながら投資できます。10年や20年といった長期でドルコスト平均法による投資をすれば、手堅く利益を出せる可能性が高まります。
ただし、相場の下落傾向が長く続くと当然損失が出ることもあります。短期投資には向かない点にも注意が必要です。
リスクを抑えて長期で資産運用をしたい方は、ドルコスト平均法による投資を検討してみましょう。

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