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アジア株

アジア株週間トピックス 2024年1月9日号

2024.01.09 (火)

アイザワ証券 市場情報部

明松 真一郎

アジア株週間トピックス 2024年1月9日号

新年を迎えて

2023年は先進国株、米国のハイテク株が世界市場をけん引

皆さま、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

2023年の市場別指数騰落率をみると、米国ナスダック総合指数の騰落率が+43.4%と、主要国の中で最大となりました。昨年末のアジア株週間トピックスで書いたように、先進国、特に米国のハイテク株が世界市場をけん引したといえるでしょう。

2024年に入りましたが、日本では元日から能登半島の大地震、羽田空港での日航機と海上保安庁航空機の衝突などが発生、株式市場は不穏な出足となりました。米国でも昨年まで好調だったハイテク株を中心に下落が目立っています。加えて多くの国で選挙を控えているため、2024年は世界的に変動幅の大きい不安定な株式市場になるとみています。

2024年のアジア株式市場のなかで特に注目しているのは、ベトナムとインドネシアです。2023年の年間騰落率をみると、ベトナムが+12.2%、インドネシアは+6.2%と、両国とも前年比プラスとなりました。両国は他のアジア新興国に比べて不安要素が少ないといえるでしょう。

ベトナムの人口が1億人を突破

ベトナムの2023年の人口が1億人を突破(ベトナム統計局推計)

ベトナム統計局の推計によると、ベトナムの2023年末時点の人口は、1億30万人と、初めて1億人を突破したようです。アジア新興国の中で1億人を超えたのは、インドネシア、フィリピンに次ぐ3番目、世界全体では15か国目となります。

ちなみに、日本で人口が初めて1億人を突破したのが1967年です。1964年:東京新大阪間の新幹線が開通、東京五輪の開催、1969年:日本のGDPが世界第2位に、1970年:大阪で万博が開催、など、日本が最も勢いがあった頃です。一般には1955年~1973年あたりが日本の高度成⾧期といわれているので、ちょうど日本が高度成⾧期の真っただ中にあった時期といえるでしょう。当時とは世界情勢が違うので、日本とベトナムを同じ物差しで測ることはできませんが、ベトナムの人口1億人突破も、ベトナムが飛躍する大きな転機になるとみています。

ここ数年、ベトナム経済は不動産企業に対する不信感が経済全体の停滞につながっていましたが、不動産の落ち着きにより、各企業はようやく攻めの姿勢に転じることができそうです。

インドネシア大統領選と首都機能移転に注目

大統領選、独立記念式典を控えたインドネシアに注目

もう一つの注目がインドネシアです。インドネシアでは2024年2月に大統領選が実施され、現大統領のジョコ氏から次期大統領に交替することとなります。まだ、次期大統領が誰になるかはわかりませんが、出馬している候補者の中では、前回、前々回の大統領選挙でジョコ氏に敗れたプラボウォ氏が有力とみています。大統領選を機に、インドネシアの政局安定化が期待できそうです。

なお、インドネシアでは今、首都機能移転の大プロジェクトが進められています。費用の高騰などの影響でスケジュールは若干遅れていますが、2023年に開通したジェカルタ ー バンドン高速鉄道と同様にプロジェクト遂行を目指すと思われます。

2024年8月にはインドネシアの独立記念式典が開かれる予定で、政府は移転先であるヌサンタラの大統領宮殿で式典を開催すると宣言しています。大統領選と独立記念式典はインドネシアにとって大きな転機になるとみています。

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ライター

明松 真一郎

アイザワ証券 市場情報部

明松 真一郎

1990年平岡証券(現アイザワ証券)に入社。加古川支店でのリテール営業を務めた後、ディーリング部、営業本部、生駒支店でのバックアップ部門などを経験。2005年に証券アナリスト資格取得したことを機に、市場情報部(当時投資リサーチセンター)に異動。アセアン株を中心としたアジア株の調査、分析を行なっている。

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