
投資のコンシェルジュ 第3回 S&P500/日経平均/ドル円市場の見通し(番外編)
2022.01.24 (月)




S&P500/日経平均/ドル円市場の見通し
ドル円市場の見通し《2022年1月下旬~2月下旬》
(日本2022年1月19日現在:114.50円)
米国では、①米金融政策決定会合(FOMC、1/25~1/26)の行方、②消費者物価上昇率(CPI)への寄与度が高いケース&シラー住宅価格指数(1/25)、③欧州への天然ガス供給及びウクライナ情勢等で上昇が続く原油相場、の3つを焦点としたい。市場はいずれの結果もドル高を押し上げると考え、2016年12月高値の118円台へ向かう値動きを予想。
- FOMCの結果は26日発表。次回3月FOMCでの利上げがアナウンスされる見通しで、足元の市場は、通常の0.25%ではなく0.50%へサプライズ・利上げ幅拡大を警戒し、リスクオフで“ドル安”の動きだが、サプライズなしなら、素直に“ドル高”要因に。
- 米12月CPIが7.0%と40年振り水準の一方で、同算出に大きく寄与(約30%)する住宅価格指数の前月比伸び率の低下に着目する向きはあり、上昇率鈍化の内容なら通常はドル安要因だが、株式市場と伴にリスクオンの“ドル高”で反応するとみる。
ウクライナ情勢に加えUAE首都アブダビへの親イラン武装組織の爆破テロにより中東の緊張も高まる。一方で、OPECは22年石油需要が415万バレル増の見通しを発表(18日)。WTI原油価格は一時、昨年来高値の1バレル88ドルへ接近。貿易収支が21年12月まで5カ月連続赤字の資源輸入国・日本にとって一段の原油高は“通貨安”要因だ。

米国株式市場の見通し《2022年1月下旬~2月下旬》
(米国2022年1月19日現在)
米国11日、パウエルFRB議長再任への議会証言は引締め的金融政策への転換に慎重なものであったが、その後、他の理事による「年4回利上げ」やQT(FRBのバランスシート圧縮)年内開始、などタカ派的発言が相次ぎ、米市場ではグロース系銘柄多いNASDAQが19日引け時点、高値から10%を超える下げ。市場からは「利上年8回」など不透明感を助長する発言もあり、米10年債は年初1.5%から19日には一時、1.90%付近への急上昇。
焦点は、やはり、1月26日発表1月FOMCの声明。方向性が示されれば、「金利上昇リスク」と業績「過去最高益」を併せて織り込む「編み込み」相場が展開され、徐々に下値を切り上げると予想。
「編み込み」で市場が落ち着けば、金利より10-12月決算をみて業績相場の色彩が強まり、市場は安心感を取り戻すと予想。S&P500は、4700pの戻りを試す展開、NASDAQは75日移動平均が走る15,300p水準の奪回、を予想。
日経平均は、19日現在、10/6、12/2、そして、今回と、21年9月高値以来、3度目の27,500円水準で調整が完了し、目先、28,800円(200日移動平均)水準を目指すとみる。

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