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信用取引とは?仕組みやメリット、注意事項を解説!

2023.06.26 (月)

アイザワ証券

アイザワ投資大学 編集チーム

信用取引とは?仕組みやメリット、注意事項を解説!

信用取引とは?仕組みやメリット、注意事項を解説!

「信用取引って名前は聞いたことがあるけどよくわからない」
「なんとなく怖いイメージがあって……」

資産形成の重要性が高まっている現代社会では、多様なニーズに合わせて様々な投資方法が存在します。信用取引はその選択肢の一つです。

相場の変動に柔軟な対応ができる一方、大変なことになる可能性も……。今回は、そんな信用取引の仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説します。

信用取引とは?

信用取引とは、買付に必要な「資金」や売却に必要な「株式」を証券会社から借りて売買する取引です。保証金を差し入れ、手元資金以上の取引を行うことなど、現物取引に比べて高い利便性が特徴です。

信用取引の仕組みを知ろう

制度信用取引と一般信用取引

信用取引には、「制度信用取引」と「一般信用取引」の2つがあります。

制度信用取引とは、取引所が公表している制度信用銘柄の選定基準を満たした銘柄のみ取引ができる信用取引のことです。取引所の選定基準を満たした銘柄しか取引ができないこと、買建て・売建てから6か月以内に返済(反対売買など)をする必要があるなどの規則が定められていますが、金利が低めに設定されています。

一般信用取引とは、投資家と証券会社の間で契約を結び、制度信用銘柄以外の銘柄についても取引が可能となる信用取引のことです。幅広い銘柄で取引ができることや、返済期限が無期限であることも多くじっくりと投資ができますが、借りた資金や株券に一定の金利上乗せがあるため、通常の場合、制度信用取引に比べコストが高くなります。

信用買い(買建て)

買付に必要な資金を証券会社から借りて株式を購入する取引です。信用取引で「買い」を行い、借りた資金をまだ返済していない(未決済)状態を、「買い建玉」といいます。

建玉について解説

信用売り(売建て)

証券会社から株券を借りてその株式を売却する取引です。信用取引で「売り」を行い、借りた株券を返済していない状態(未決済)を、「売り建玉」といいます。

信用取引のメリットとリスク

メリット①【資金効率の向上】

取引額の30%の保証金が必要ですが、自己資金の約3.3倍の取引ができます。同じ自己資金での取引可能額が増えることから、資金効率の向上が図れます。

また、保証金は株券や国債、投資信託で差し入れることができるため、「気になる株があるけれど、今持っている株もまだ上がりそうで手放したくない……」という時にも、信用取引を利用することで持っている株を売らずに投資することが可能です。

信用取引の資金効率イメージ

メリット②【下落局面でも利益が狙える】

売りから取引を始めることができるため、株価の下落局面でも利益が狙えます。

例えば、A株式を1,000円で1,000株、100万円分の株券を借りて売建てます。制度信用取引の場合、返済期限である6か月後までに1,000株の返済が必要となります。この間に相場が下落してA株式が700円となったタイミングで、1,000株を70万円で買い戻して借りていた株券を返却すれば、差額の30万円分が利益になります。

信用取引の取引イメージ

リスク①【自己資金以上の損失が出ることも】

自己資金以上の損失が出るリスクがあります。自己資金の約3.3倍まで取引ができるため、大きな利益が出る期待がある一方、損失のリスクも大きくなります。

リスク②【追証が発生することも】

追証(おいしょう)が発生することがあります。追証とは、株式の変動によって、追加で担保(委託保証金)の差し入れが必要となった状況のことをいいます。

追証が発生する条件は2パターンあります。1つ目は、保証金として差し入れている代用証券(株式等)は値下がりし、委託保証金の評価額が低下し、証券会社が定める最低委託保証金維持率を下回った場合です。もう1つは信用の建玉が値下がり(売建ての場合値上がり)し含み損を抱えることになった場合、その損失分が保証金から差し引かれるため、結果として保証金維持率が低下することで追証となります。追証が発生した場合、証券会社が指定する日時までに入金などを行う必要があります。

信用取引のつなぎ売りを利用した株主優待取りの注意点とは?

株主優待について解説

株主優待についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

信用取引で配当金や株主優待を取得できるのか?

信用取引の買建ては証券会社からの融資で株式を購入しているため、その株式の実際の所有者は証券会社のままです。そのため、配当金も株主優待も受け取ることはできませんが、配当金に相当する金額は配当落調整金として受け取ることができます。ただし、株主優待を受け取ることはできません。

そこで近年注目されているのが、「つなぎ売り」を利用した株主優待の取得方法です。つなぎ売りとは、保有している現物株と同銘柄を同株数売建てすることで、株価下落による損失リスクを抑える取引手法です(買いと売りのポジションを同じ株価・株数でそれぞれ持っておけば、株価が上下どちらに変動しても、片方の損失をもう片方の利益で相殺することができるということ)。これを利用して、リスクヘッジをしながら株主優待を取得することが可能です。

しかし、つなぎ売りによる株主優待の取得には以下のことに留意する必要があります。

①配当調整金を支払う必要がある

証券会社から株を借りている売り方(売建てをしている方)は、本来証券会社が受け取ることができたはずの配当金相当額を、証券会社に支払う必要があります。

②逆日歩で思わぬ費用が発生する可能性がある

逆日歩とは株を借りるために売り方が場合により支払う必要がある調達コストのことです。信用売り残高が買い残高を上回る売り長(うりなが)の状態が続き、証券会社で株券が不足した場合、証券会社が機関投資家から入札して株券の調達を行います。その際の1日あたりのコストが品貸料で、売り方が逆日歩として支払わなければなりません。つまり、株券を借りる人が多ければ多いほど株券が不足しやすく、調達が難しくなり、品貸料が高騰する可能性があります。また、逆日歩は1日あたりの計算ですが、土日祝日も算入されるため注意が必要です。

まとめ

①信用取引は少ない自己資金で効率的な投資ができる

②現物株だけの投資では難しい下落局面でも利益を狙える

③リスクが大きくなりすぎないようバランスを考えた投資が必要

④つなぎ売りを利用した株主優待投資は思わぬ費用に注意

信用取引は正しく理解して利用することで、相場変動への対応力を向上させることが可能になります。様々な要因で変動する株式市場で資産形成をしていくために、信用取引の活用を考えてみてはいかがでしょうか。

※当社で信用取引をお取引いただくには別途信用取引口座を開設いただく必要がございます。
 また、信用取引口座の開設には審査がございます。予めご了承ください。

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