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コメ高騰が株価に影響 株主優待でストップ高も

2025.05.13 (火)

日本株情報部 アナリスト

斎藤 裕昭

コメ高騰が株価に影響 株主優待でストップ高も

コメの価格高騰がとまりません。政府は備蓄米の放出などでなんとか価格を抑えようとしていますが、放出後も価格は高止まりが続いています。
農林水産省が毎月発表しているの相対取引価格は2025年3月に25876円(60キログラム当たり)となりました。前月2月の26485円よりは若干落ち着きましたが、前年同月と比べると10448円高(68%高)となっており、引き続き高値圏で推移していると言えます。

スーパーなどでは5キロ入りのコメが4000円超えの水準で売られており、値が下がる気配はありません。一方でコメの販売数量は増加しているもようです。同じく農水省の発表では販売量自体は前年比で15%増えているとのことです。

コメ相対取引価格の推移(単位 円)
農林水産省発表資料よりDZHFR作成

コメはわたしたちの主食であるだけに価格にも敏感にならざるを得ないところですが、株式市場にもそんなコメ価格の高騰が影響を与えているケースがみられます。
コメ高騰がコスト高となる外食企業などや、価格上昇により一定の恩恵を受ける卸売業者などが思い当たりやすいところではありますが、実は意外なところにも影響があるのです。

一例として、ウエルシアホールディングス<3141.T>を挙げます。同社は2025年1月21日株主優待制度を変更すると発表しました。従来、地域にウエルシアの店舗がない株主のための代替品として用意していた優待内容のうち、「新米(新潟県産コシヒカリ)」を廃止するとしたものです。これを受けて21日の終値2279.0円から翌22日は2178.5円と100円超の下落。率にして4%以上の下げとなりました。

一方で、株価が急騰した例もあります。スタンダード市場に上場するビューティカダンホールディングス<3041.T>は2025年4月24日、株主優待制度の変更を発表。従来100株以上を保有する株主を対象に、保有株数に応じた自社グループ製品の割り引きなどを提供していましたが、変更後は新米5キログラム(200株以上)、2万円相当のディナー招待券(2000株以上)と内容を拡充。保有数1000株以上・継続保有3年以上の株主には長期保有株主優待(熊本の特産品)を実施することも決めました。
これを受けて、同日の株価はしストップ高となる443円まで上昇。翌営業日も10%超の上昇となる490円で取引を終えるなど、買いを集める展開となりました。

コメが高騰するなか、株主優待でもらえるというのは確かに嬉しい内容ではありますが、個人的には市場の反応も少し行き過ぎの部分もあるように感じます。とはいえ、こうした動きは今後も出てくるでしょう。

そこで株主優待でコメがもらえる銘柄を少し調べてみました。直近の5月権利日ではクリエイトSDホールディングス<3148.T>が保有株数によりお米券を贈呈しています。
また、6月権利日では外食のブロンコビリー<3091.T>、コメ卸の木徳神糧<2700.T>などで関連する優待品をもらうことができます。

株主優待ではQUOカードが相変わらず根強い人気を誇っていますが、これからは「コメ」こそが投資家の人気を集める優待品ナンバーワンになる、かもしれません。

記事提供:DZHフィナンシャルリサーチ「いまから投資」(https://imakara.traders.co.jp/

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ライター

斎藤 裕昭

日本株情報部 アナリスト

斎藤 裕昭

経済誌、株式情報誌の記者を経て2019年に入社。 幅広い企業への取材経験をもとに、個別株を中心としたニュース配信を担当。

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