アジア株週間トピックス 2023年9月19日号
2023.09.19 (火)
タイ新首相が景気対策を発表
セター新首相は複数の景気刺激策を発表
9月13日、タイのセター新首相が、複数の景気刺激策を承認しました。
主な刺激策は
1:軽油税の減税
2:中国とカザフスタンからの観光客のビザなし入国の許可
3:農家の債務返済の停止
などです。
軽油税の軽減については、9月20日から年末まで実施される予定で、軽油価格は1リットル当たり30バーツ未満になる予定です。ビザなし入国に関しては、9月25日から来年2月末まで実施される予定で、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年には、訪タイ外国人のうち中国人が約3割近くを占めており、このたびの制限緩和によってタイを訪問する中国人観光客の増加、支出拡大が期待できそうそうです。また、農家に対する債務返済に関しては、3年間停止する方針です。タクシン派への配慮という意向も見え隠れしますが、農業国のタイにとって政策の効果は大きいと思われます。
そのほか、最低賃金の引き上げなど、いくつかの刺激策導入の意向を示しており、タイ新政権はようやく本格的に動き始めているといってよいでしょう。
バイデン米国大統領がベトナムを公式訪問
米国・バイデン大統領は就任後初めてベトナムを公式訪問
9月10日、米国のバイデン大統領が就任後初めてベトナムを公式訪問しました。2013年に当時のオバマ大統領が包括的パートナーシップに署名してからおよそ10 年、このたびのバイデン氏の訪問でパートナーシップ最上位である包括的戦略パートナーシップに格上げされました。
バイデン大統領はベトナムを訪問する直前の9月7日~10日にはインドを訪れ、G20会議に参加しています。アジアの中でインドとベトナムを重視するという米国の思惑が感じられます。ベトナム訪問後の共同声明では、半導体の生産、AI の開発、安全保障の分野などで米国とベトナムの協力関係強化を目指すことが明記されました。今後ベトナム国内では、米国との協力のもと、ハイテク技術強化が進められそうです。
ベトナム大手の航空関連企業がそろってボーイングに航空機を発注
またこの訪問ではベトナムと米国の航空機関連の大型契約も発表されました。ベトナム航空(HVN)は米国のB737-8型機を50機発注、ベトジェットエア(VJC)には、向こう5年間にB737MAX型機、200機の引き渡しが行なわれる予定です。海外の要人が来た時に、お土産代わりに契約を結ぶケースはよくあり、このたびの2社もその一環といえます。
この2社では、ここ数年赤字に苦しんでいるベトナム航空よりは好調なベトジェットエアのほうが路線拡張を目指す上でメリットがありそうです。原油価格の動向も含めて、ベトジェットエアの今後の動向を見守っていきたいと思います。
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