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【経営者向け簡単解説シリーズ】第2回 TOKYO PRO Marketを簡単解説!

2021.10.15 (金)

アイザワ証券 ソリューション部

豊福 哲矢

【経営者向け簡単解説シリーズ】第2回 TOKYO PRO Marketを簡単解説!

J-Adviserとしてアイザワ証券が参入!

昨今、一般市場への上場に加えて、東証が運営するもう一つの株式市場であるTOKYO PRO Marketへ上場する会社が増えています。自由度の高い“上場基準”と“開示制度”で注目を浴びるTOKYO PRO Market(以下、「TPM」)に、ついにアイザワ証券もJ-Adviserとして参入することとなりました!(2021年10月14日より)

J-Adviserというのは、TPMを目指す企業への上場準備に関する助言・指導から上場時の審査、上場後のモニタリングまでの上場に関するあらゆる課題解決を目的としたパートナー制度です。現在、J-Adviserはアイザワ証券を含め全国12社が認定されており、証券会社のみならず様々な業種・業態の会社が自社の特徴を活かした上場支援をしています。

アイザワ証券では、これまで主幹事証券として培ってきた上場ノウハウ等を活用し、将来的には一般市場へのステップアップも視野に入れたアイザワ独自の支援を考えています。様々なニーズや課題を感じている会社と本当に信頼できるパートナーとしてともに歩んでいきたい、そんな思いから、今回J-Adviser資格を取得することとなりました。

◆J-Adviserの一覧(10/14現在)(50音順)

• 株式会社アイ・アール ジャパン
アイザワ証券株式会社 ←New!
• エイチ・エス証券株式会社
• GCA FAS株式会社
• 株式会社ジャパンインベストメントアドバイザー
• 大和証券株式会社
• 宝印刷株式会社
• 株式会社日本M&Aセンター
• 野村證券株式会社
• フィリップ証券株式会社
• みずほ証券株式会社
• 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社

TPMに上場するメリットとは?

さて、今回の記事では、TOKYO PRO Marketに上場するメリットについてご紹介したいと思います。TOKYO PRO Marketの概略に関しては前回の記事も併せてご参照ください。

メリット①:TPM最大の魅力であるスピード上場

TPM最大の魅力は上場へのスピード感です。通常、東証マザーズ等の一般市場に上場する場合は、監査法人による監査証明が最低2期間分必要ですが、TPMの場合は、最低1期間と上場基準の要件が緩和されています。また、一般市場へ上場する場合は、主幹事証券の審査と証券取引所の審査が必要です。

一方で、TPMの場合は、東京証券取引所による審査はJ-Adviserへ委託されており、J-Adviserが上場の助言・指導から審査まで一気通貫で行います。その分、審査期間は一般市場への上場時より短期間でできると言われており、スピーディーな上場が可能です。長期の審査対応になればなるほど、上場準備対応の負担が大きくなりますので、短期間の審査で上場を果たせることは大きなメリットと言えるでしょう。

メリット②:上場企業としてのブランド獲得

TPMは投資家をプロ投資家に限定することで、東証マザーズ等の一般市場よりも上場基準や開示ルールを緩やかに設定しています。上場基準が緩いからといって、一般市場に上場している企業と比べて信用度が低いのかというと、そうではありません。

東証から審査を受託しているJ-Adviserが、上場企業として内部管理体制等の問題がないことを厳しく確認するので、社会的に「上場企業」としての扱いに変わりはありません。そして、「東証に上場している」というブランドは以下のようなプラスメリットをもたらすと言われています。

◆上場することのメリット

• 企業の知名度と信用度が向上する
 ☞ 優秀な人材を確保しやすくなる、新規・中途採用の応募者が増加する
 ☞ 営業力の向上(アポイントが取りやすくなる、取引拡大につながる)
 ☞ 金融機関から融資が受けやすくなる、融資の枠が増える、経営者の連帯保証を外すことができる

• 社員の信用度が向上する
 ☞ 上場企業の社員という扱いになり金融機関との取引が優遇される

• 社員に「上場企業で働いている」という意識が芽生え、士気が高まる
 ☞ 上場会社の社員という意識のもと業務に取り組むため、生産性の向上やミスの減少が期待できる
 ☞ 離職率の低下

• 社内の管理体制の整備が進み組織力が向上する
 ☞ 属人的な業務の標準化、一部のベテラン社員によりブラックボックス化している業務の明瞭化
 ☞ 分業や権限移譲による業務の効率化、業務スピードの向上、社員のやる気・責任感のアップ
 ☞ 経営者頼りの経営からの脱却
 ☞ コンプライアンス(法令順守)に関するリスクの低下、コンプライアンス意識の向上

メリット③:オーナーシップを維持したままの上場

TPMへの上場には、一般市場にはない独自のメリットがあります。それは、外部株主を入れずに、「オーナーシップ(支配権)」を維持したまま上場することができる点です。
例えば、東証マザーズに上場する場合、全株式に対して市場に流通させる株式の比率を25%以上にすることが上場基準の一つに定められています。この基準をクリアするためには、通常、新株を発行したり、既存の株主等から売り出したりすること(公募・売出し)で上場を果たすことになります。
しかし、公募・売出しを実施すると、資金調達はできる反面(公募)、経営者が保有する株式の割合が下がって、オーナーシップは低下します。

本来、外部株主をいれて経営者(オーナー)のプライベートカンパニーからパブリックカンパニーへと移行し、会社のガバナンスを強化していくことはIPOの大きな意義です。
しかし、すべての外部株主が必ずしも経営者の理念や会社の方針に共感し、応援してくれるかというとそうではありません。また、会社によっては、そもそも資金調達や創業者利潤がIPOの目的ではないケースも考えられます。

“IPOはしてみたい、しかし可能な限りオーナーシップは残したい”そんなニーズに応えられるのがTPMです。
なぜならば、TPMの上場基準には、東証マザーズにあるような流通株式比率の上場基準がないからです。極論、経営者がほぼ100%の株式を保有したまま上場するということもできるのです(実務上、上場日に株式の売買実績をつくるために最低でも1単元の売買が行われることから、経営者が100%を保有したままの上場はできません。) 。
大部分の株式を保有していれば、突然に敵対的TOB(株式公開買付け)などを仕掛けられるような心配もありません。TPMであれば、オーナー経営者は上場後も安心して経営に専念することができるのです。

まとめ

今回は、昨今活用が広がっているTOKYO PRO Marketの上場に関するメリットについてご紹介させていただきました。
新規上場(IPO)は経営者の方なら一度は必ず考えるものです。しかしながら、一般市場への上場には、コストや手間暇、時間がかかるだけでなく、様々な面で上場企業として認められるためのハードルがあります。

それらを緩和させながら、上場を可能とするのが、TPMの大きな魅力です。とはいえ、TPMへの上場にデメリットがないかというと決してそういうわけではありません。上場することが会社にとって本当にベストなのかというのは、メリット・デメリットすべてを勘案した上で決定されるべきでしょう。

アイザワ証券ではこれまでTPM上場企業に対して、J-Adviser以外でも様々な取り組みをしてきました。今回、J-Adviserとしての資格を取得したのは、様々な課題を抱える中小企業により沿って更なる支援をしたいという思いからでもあります。もし、TPMに限らず新規上場を検討されておりましたら、是非、一度ご相談いただければと思います。

次回は、TPM上場のデメリットについても見ていきたいと思います。

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ライター

豊福 哲矢

アイザワ証券 ソリューション部

豊福 哲矢

2015年に日本アジア証券株式会社(現アイザワ証券株式会社)に入社後、営業経験を経て、公開引受部門に異動。上場準備支援業務等に従事し、アイザワ証券株式会社との合併後は、IPO、M&A、ストックオプション等といった企業の事業戦略サポートに取り組む。

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