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ベトナム現地情報2022年8月号より 企業紹介 キドグループ(KDC)

2022.09.02 (金)

ベトナム現地グループ会社

Japan Securities Co., Ltd.

ベトナム現地情報2022年8月号より 企業紹介 キドグループ(KDC)

キドグループ(KDC)

2005年12月~2021年12月 キドグループ 株価推移

キドグループは1993年に設立された食品メーカーです。中核事業は、食用油事業とアイスクリームなどの食品事業です。ベトナム国内に2つのアイスクリームの製造工場と、4つの食用油の製造工場を有しており、国内シェアはアイスクリームで43.5%を、食用油で30%以上を占めています。

2022年上半期の業績は、売上高が前年同期比30%増の6兆3,520億ドン、純利益は前年同期比27%増の4,270億ドンでした。売上高、純利益は年間目標の45.4%、47.5%を達成しています。伝統的な個人商店ではなく、スーパーやコンビニといった現代的な小売店への販売活動の増加、そしてオンライン販売の強化が業績に寄与しました。またアフターコロナの消費活動の回復は、同社の業績に追い風となっています。下半期は中秋節(日本のお月見)を控え、月餅商戦が盛んになります。同社は今年商戦に再参入する予定で、売上動向が注目されています。

基本データ (7月末時点)

2021年の売上高構成比

売上高・純利益

ちょっと深掘り☞キドグループの組織再編

KINH DOブランドのお菓子は街中でよく目にします。しかし、このKINH DOブランドは既にキドグループの商標ではありません。

キドグループは2015年に当時、主力事業であった製菓部門を米食品大手のモンデリーズに約10兆ドンで売却しました。その後、同社は食用油事業とアイス事業に注力しています。

同社は2016年から2018年にかけて食用油大手のTuong An、そして最大手のVocarimexを傘下に収めました。またVocarimexの関連会社であったGolden Hope Nha Beに出資、100%子会社とし、会社名をKIDO Nha Beに変更しました。

さらに同社は昨年11月にVocarimexの株式保有率を51%から87.3%に引き上げました。特にVocarimexは企業間取引で市場シェアを拡大させており、出資拡大によって、企業間取引の強化につながることが期待されています。食品油事業は、2022年第2四半期の売上高の8割以上を占めており、引き続き同社の中核として注目されています。

そして一度撤退した製菓事業にもKIDO'sブランドで再進出しています。現在ベトナムでは月餅商戦が始まっています。同社は今年から月餅の販売を再開し、今後3年以内に月餅の販売で業界2位になることを目標に掲げています。

ちょっと深掘り☞Chuk Chukとは

キドグループは、昨年からカフェチェーンであるChuk Chukの出店を進めています。キドグループの社長は、今年3月に行った年次株主総会で年末までに店舗数を200~300店まで拡大させる目標を表明しました。

Chuk Chukは、昨年6月にホーチミン市に第1号店をオープンさせ、現在ホーチミン市に64店舗を展開しています。ちなみにホーチミン市の店舗数では、マッサングループが展開するPhuc Long Coffee & Tea(58店舗)を上回ります。Chuk Chukは、2025年までにベトナム全土に1,000店舗を出店させる計画です。

さらにキドグループは昨年12月にタイ小売大手のセントラルリテールと戦略的提携を結び、セントラルリテールが手掛けるショッピングモールへの出店を進めています。セントラルリテールはGO!、BigC、Tops Marketといったショッピングモールをベトナム全土で展開しています。提携により、Chuk Chuk、キドグループの商品がタイや周辺諸国に販路を拡大することも今後期待されています。

ベトナム国内ではマッサングループが傘下のPhuc Long Coffee & Teaの出店を加速させるなど競争が激化しています。

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ライター

Japan Securities Co., Ltd.

ベトナム現地グループ会社

Japan Securities Co., Ltd.

アイザワ証券グループは、ベトナムの証券会社「Japan Securities Co., Ltd.(ジャパン・セキュリティーズ・インコーポレイテッド)」を2018年に子会社化。ベトナムの経済成長や、株式取引における規制緩和などを背景に、ベトナム株式投資に対する関心が高まっており、情報提供の強化や利便性の向上を図っている。

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